出版社内容情報
戦時中の5年生の女子生徒が描いた、学級絵日誌の全記録。子どもたちの目を通して「どこにでもあった戦争」を現代につたえます。
内容説明
土に親しむ教育を実践する校長、文化がないなら文化をつくろうと考えた女性教師。2人のユニークな教育者の出会いが生み出した、貴重な記録188枚。小学校高学年から。
目次
四月
五月
六~八月
九月
十月
十一~十二月
一月
二月
三月
著者等紹介
吉村文成[ヨシムラフミシゲ]
1940年鳥取県生まれ。京都大学理学部入学。同大学院文学研究科(史学)修士課程修了。朝日新聞社社会部(大阪)、外報部(ニューデリー、シンガポール、ジャカルタ支局長など)、CSテレビ衛星チャンネル・キャスター、龍谷大学国際文化学部教授(文化人類学など)を経て、東京・練馬区でコミュニティカフェを主宰。他に関西学院大学国際学部非常勤講師(アジアメディア文化論)、NHKカルチャーセンター(光が丘)講師など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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さくら
5
戦時中の日本。 学級日誌から見えてくる日本人の姿が表れている。 小学生にして難しい旧字を書く(自分は書けません)イラストは小学生らしく元気で 当時の様子が伝わってくる。2018/07/25
おはなし会 芽ぶっく
4
『13歳からの絵本ガイド YAのための100冊』 https://bookmeter.com/books/12736537 紹介絵本。【テーマ 私たちの平和と戦争】 瀬田国民学校の5年生が綴った1年間の日誌。戦時下の子どもたちは自分の夢や希望を書くのではなく、「お国のために」と絵や文章で応援していたのですね…。2020/08/09
ochatomo
3
原本は大津市歴史博物館へ寄託されている、昭和19年度の5年生女子クラス(共学は2年生まで、3年から男女別)の絵日誌188日分 “土に親しむ教育”“ほめる教育”がなされていた 明るい色彩で、絵柄や構図も上手で驚かされる 空襲警報で何度も帰宅したり、国語が平家物語だったり『戦争の時代』を解説つきで“タイムトリップ”、戦局悪化を追体験 2015刊2018/11/21
菱沼
3
前に読んだ『昭和二十一年八月の絵日記』山中和子 を思い出した。この作者も同じ五年生だった。『学級日誌』は何人かの少女たちが交代で描いているはずだが、絵の持つ雰囲気はどれもよく似ている。解説にあったように、実際には着なかった明るいきれいな色のモンペや、モダンなブラウスの柄を想像して描いていたというのが、少女たちの夢や憧れを表しているようでいとおしい。米英への激しい言葉の陰には、書きたいことを自粛していた少女たちの思いが隠れていた。改めて教育ということ、子どもたちに憎しみの言葉を書かせてはならないことを思う。2017/09/04
ネジとサビ
2
当時小学五年生の水彩画が良い。 先生方に読まれることが前提なので、書いて良いこととそう出ないことを、その年なりに取捨選択し、書いてある。 当時の空気感がよく伝わる。 学校にも置きたい。2019/02/15