内容説明
小夜は山ふかい小さな温泉宿の一人娘です。友だちは山の鬼の子やてんぐ、風や木とも話ができます。小夜はやまんばの子なのでしょうか。そんな小夜のもとに人形しばいうさぎ座から手紙がきました。まっ赤な紅葉の葉の手紙でした。5歳から大人まで。
著者等紹介
安房直子[アワナオコ]
1943年東京に生まれる。日本女子大学国文科卒業。在学中より山室静氏に師事、「目白児童文学」「海賊」を中心に、かずかずの美しい物語を発表。「さんしょっ子」第三回日本児童文学者協会新人賞、『北風のわすれたハンカチ』第十九回サンケイ児童出版文化賞推薦、『風と木の歌』第二十二回小学館文学賞、『遠い野ばらの村』第二十回野間児童文芸賞、『山の童話 風のローラースケート』第三回新美南吉児童文学賞、『花豆の煮えるまで―小夜の物語』赤い鳥文学賞特別賞、受賞作多数。1993年永眠
味戸ケイコ[アジトケイコ]
函館に生まれる。多摩美術大学卒業後、イラストレーターとして活躍。『あのこがみえる』でボローニャ国際児童図書展グラフィック賞受賞。『花豆が煮えるまで』で赤い鳥さし絵賞受賞。また第一回サンリオ美術賞を受賞するなど国内外で高い評価を受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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はる
70
安房さんらしい、不思議で優しくて、そしてちょっと怖い…。美しい文章、懐かしい世界。味戸ケイコさんの寂寥感漂う挿絵も雰囲気があっていい。「花豆の煮えるまで」の続編というか、その中の一編という感じですね。「花豆の煮えるまで」を読むと、物語世界がより深く理解出来ますよ。2019/02/15
ぶんこ
47
山奥の温泉旅館の一人っ子小夜が、真っ赤な紅葉の葉に書かれたうさぎ座からの招待状を見つけます。うさぎたちの集まる人形芝居に、たった一人だけ人間の子が招かれたのです。和装のうさぎたちの絵が可愛い。小夜ちゃんが淋しそうなのが気になりました。これをきっかけにうさぎさんたちとも仲良くなれるといいな。2019/02/09
よこたん
37
“もしもし、今夜、宝温泉の小夜がゆきますので、いい席をお願いしますよ。それから、帰りはまっくらですので、送ってやってくださいよ。” 紅葉の葉っぱに書かれた招待券を見せられて、うさぎ座に電話するおばあさん。不思議なことがごく自然に受け入れられている地。賢治の『雪わたり』をほんのりと思い起こす。小夜のなくした手袋のゆくえに、どきどきハラハラ。確かに人形芝居を楽しむどころじゃないよね、もう気が気でないよ。舞台にむかってちんまりと座る観客や演者のうさぎたちの、着物やふっくりとしたはんてん姿がとても可愛らしかった。2023/02/11
神城冥†
35
私もうさぎ座の人形芝居見に行きたい。話が幻想的で、色使いがとても綺麗。2016/02/04
花林糖
17
『花豆の煮えるまで』番外編。←未読なので読まなければ。山深い小さな温泉宿の一人娘の小夜が、うさぎ座の人形芝居に招待されるお話。山の鬼の子やてんぐと友だちで、風や木とも話しが出来る小夜は何者なのかな。おばあさんも不思議です。味戸さんの描く和風なウサギ軍団がとても可愛らしい。2016/01/12
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