出版社内容情報
「世界をちょっとだけ正しくしたい」。そう話す転校生の杜屋譲と「瞬間記憶能力」を有する和登尊。二人は同級生を助けるため、「絶対に成績が上がる塾」に潜入。そこで暴言と体罰を繰り返す傍若無人な塾長と対決することに。正義をなすために人をだますこともいとわない。そんな杜屋と和登の物語が始まる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ほたる
8
物語にはワクワクする謎と驚きの真相を。読みながら考えるのも良し、考えずに最後まで一気に読むのもまた良し。ミステリを読むことの楽しさはその人にとって色々ある。中学生コンビが縦横無尽に立ち回るのはいつの時代でも面白い。2024/04/21
椎名
8
少しだけ世界を正しくしたい。中学生という立場を巧みに利用し、〝絶対に成績が上がる塾〟の不正を暴く一巻。最後にはしっかりと別の視点、立場から見たとき、正しさはどこにあるのかという問いかけがあるところまで含めて満点の内容だ。作中でも返していた通りラストの大人の言葉は論点のすり替えでしかないのだが、けれど、正しさが立場や視点によって変わってしまうことは事実でもある。児童小説っていいなあと改めて思えた一冊。二巻も決まっているということで嬉しい限り。2024/04/19