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出版社内容情報
【文学/日本文学】タクシードライバーの人生を描くノンフィクション。いじめられっ子がみつけた居場所。ホームレスから生きる希望を見つけた男性。連れ子のために奮闘するドライバー……。 現代日本ノンフィクション。事実は小説よりせつなく、少しだけあたたかい。
内容説明
一台のタクシーに一人の人生が乗っている。妻に逃げられた元ホームレス、石原裕次郎に「タメ口」をきいた男、気の優しい、いじめられっ子が持つ誇り、「専業主夫」を認めた女性、ほか…夢破れても人生だ。夢破れてから、人生だ。13人の運転手を見つめた現代日本・ノンフィクション。
目次
第1話 奈落
第2話 福島
第3話 マリアと閻魔
第4話 「なか」
第5話 ひとりカラオケ
第6話 泪橋
第7話 缶コーヒー
第8話 愚か者
第9話 偶然
第10話 平成世間師
著者等紹介
山田清機[ヤマダセイキ]
1963年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、鉄鋼メーカー、出版社勤務を経て独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
46
『一台のタクシーに1人の人生が乗っている。夢破れても人生だ』13人の運転手を見つめた現代日本、ノンフィクション。…新卒で入社する人はまずいないこと、年齢層が高いこと。つまりは色々な経験をした人がほとんどなので、どの人生も興味深く読みました。『タクシー運転手はセーフティーネットである』というのは何だか悲しくもありましたが。ノンフィクションは小説と違って、別の意味で胸を打ち、考えさせられるものだなと改めて実感します。それにしてもーーこれを読んでしまうとワンメーターが乗りにくくなります。2014/06/25
barabara
45
読み応えのある本だった。タクシー運転手というのは、私の想像通り、訳ありの人間の最後の引き寄せられ場所と思えるエピソード満載だった。人生の無常さや、人との縁や繋がりの儚さを彼らの身の上から感じた。現在はタクシーに乗る人も減ってきてるらしいが、ナカと呼ばれる千代田区近辺などでは技ありの走行でそれなりに稼げるという逸話も面白かった。2016/02/07
ごへいもち
41
読友さん御紹介。すらすら~っと読了。いろいろな人生。お金がたくさんあったらタクシーを乗り回したい。たまに乗るタクシーの運転手は皆さん穏やかそうでマナーが良いけど。著者は有名大学を出て実家もそれほど遠くないのになぜこんな生活をしたんだろうと。貧民時代のホールケーキ責めはちょっと経験してみたいかもw。マッキンゼー経由で日本交通を継いだタクシー王子や恋チュン日交verを思い出した。2015/08/01
おかむら
40
面白かった! タクシー運転手さんたちの人生模様。転職の果てにたどり着いた中高年の紆余曲折がすごい! どの人も物語の宝庫。あと運転手たちの仕事の工夫も楽しい←「無線屋」とかワクワクするよ。「長いあとがき」での著者の人生も波乱万丈。毎日判で押したような変わりばえのない生活してるので(それはとても幸せなことだけれど)、こういう濃いい体験のノンフィクションはホントに面白いわ!2015/05/20
いちろく
35
紹介していただいた本。「職業に貴賎はない」という人にこそ手に取って欲しい一冊だった。タクシー業界に流れ着いた人たち(誤字にあらず)にインタビューしたノンフィクションモノ。勿論、運転が好きだったり労働環境が合っているなど天職としている人もいれば、様々な職を経てココしか無かったという人もいる、正に人間交差点のような内容だった。それ以上に驚いたのは、長いあとがきとして著される著者自身の経歴。読了後に、この本以降も著者自身の名前で本が刊行されていると知り、ホッとした部分もある。2022/01/04