出版社内容情報
失われた20年は、日本企業の経営失敗の連続でもあった。10年間の雪印に端を発した食品偽装事件、カネボウに代表される粉飾決算事件、昨年のオリンパス、大王製紙、2012年もパナソニックやシャープなど、経営判断を誤った事例は枚挙に暇がない。失敗事例から日本企業がはまる陥穽を検証する。
内容説明
20世紀に成長・繁栄した「日本的」経営、思考は、なぜ躓いたのか?再生への道は「失敗」から学び取れる。
目次
第1章 モノづくりへのこだわりが日本の進歩を遅らせる
第2章 政府の介入が競争力を低下させる
第3章 アンチ株主資本主義が日本企業のガバナンスをぶち壊す
第4章 ルール無視が日本を狂わせる
第5章 国際性の欠如が日本企業を時代の流れから取り残す
第6章 危機意識の欠如が日本経済を滅ぼす
第7章 教育の質の低下はボディーブロー
第8章 変革への抵抗が日本を時代遅れにする
著者等紹介
植田統[ウエダオサム]
弁護士、国際経営コンサルタント。1957年生まれ。81年、東京大学法学部卒業。ダートマス大学経営大学院にてMBA取得。都市銀行勤務などを経て、企業再生専門ファームでライブドアやJALを担当(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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KAZOO
137
題名の割には掘り下げ方が少し足りないのではないかと思われました。最近の新聞を初めとしたマスコミと同じような書き方をしています。資料的な頭の整理にはいいのですが結果後追いという感じです。最近の東芝などの問題についてもマスコミの対応はただわいわい騒いでいるだけのような気がします。まあ広告料をかなりもらっているからしょうがないのでしょうが。2017/03/27
Humbaba
8
個人としては正しい判断ができても、集団になるとそれができなくなる。社会的には何が正しいのかを理解できても、それが自分のみならず自分たちの属する集団にとってマイナスとなるとき、どのように行動すればよいかは拗じられ曲げてしまうことが少なくない。2015/05/06
村越操
6
日本的経営の問題点を8つの視点から概観。モノづくりへの強いこだわりの弊害、政府の余計な介入、アンチ資本主義、ルール無視の企業体質、国際性の欠如、危機意識の欠如、教育の問題、変革を好まない体質。これらの具体的事例が誰もは一度は読んだ時事ニュースを事例に、紹介されています。具体的処方箋が少ないため、読み進むにつれうんざりしてしまいます。裏を返せばこれら一連の失敗をしないようにすることだと、考えることが大切。嘘をつかない、世界情勢を見極める、法律を犯さない、国に頼らないといった、事が教訓か。2013/04/07
乱読家 護る会支持!
5
企業では、大王製紙、オリンパス、シャープ、パナソニック、ソニー。なぜ、いまの日本に問題点が頻発しているのか。その原因を「モノづくりへのこだわりの弊害」「余計な政府の介入」「アンチ資本主義の流れとガバナンス欠如」「ルール無視の体質」「国際性の欠如」「危機意識の欠如」「これらの問題の背景にある教育の問題」としているが、著者の問題解決の提案がイマイチと思う。日本にはあかん企業もあるけど、しっかりと危機意識を持って利益を出している会社もある。なぜ、利益を出している会社の良さを自分の足で稼いで調べないのか?2017/04/16
Kaz
2
全般的に感じたことは、余りに組織に近づきすぎると周りが見えなくなるということかな。市場や顧客が見えなくなり、挙げ句の果てに法律までをも無視してしまう。組織に忠誠心を持つのは大事だけど、気を付けないと使い捨てられてしまう。出口治明さんが言ってたけど、仕事が人生に占める割合なんて多くて3割なんだよね。仕事に依存しすぎるのは、道を誤る。ビジネスパーソンである前に、市民だということを忘れないようにしたい。2017/06/05