出版社内容情報
原発事故で仮設住宅暮らしを強いられる作者が、心の中を詩に託した。被災地を中心に静かに共感を呼び、女優・吉永小百合さんが朗読会で、涙ながらに読み、刊行にあたって推薦文を寄せた。身近な喜怒哀楽に、被災地の心情が染みこんでいる。
内容説明
泣きたい。泣くしかない。でも、きっと笑える日が来る。そう信じれば、「あした」を生きられる。84歳が紡いだ56篇のポエム集。
目次
大震災が起きた
柏崎「仮の宿」にて
いわきの仮設住宅で暮らす
著者等紹介
佐藤紫華子[サトウシゲコ]
本名・佐藤シゲ子。1928年、樺太生まれ。2011年3月の原発事故で福島県富岡町から避難し、同年9月からいわき市の仮設住宅に住む。同年7月に『原発難民』、12月に『原発難民のそれから』を自費出版した。日本舞踊藤富流紫扇会会主(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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吾亦紅
26
仮設住宅で生まれた詩集。詠んだのは84歳の女性。台所で皿洗いをしているときに、自然と浮かんできたという。悔しさと嘆きと悲しさが押し寄せてきて、言葉が出ない。津波や地震よりも恐ろしいものの正体について考えさせられた。原発はもちろんだが、人々の忘却の彼方に消えてしまうこと。希望の詩はあるが、少ない。今どうしていらっしゃるのだろう。2019/06/25
団塊シニア
24
福島県第一原発から約10キロ、第二原発にある福島県富岡町は人口15,000人、全域が警戒区域に指定されてます。筆者の佐藤さんは84歳、現在福島県いわき市の仮設住宅でご主人と避難生活を送っており、本書の作品の多くは4畳半一間の仮設住宅で生まれたものです。「人生の谷間をさまよう人々にとって灯火であってほしい」という願いどうり被災者たちの間に口コミで伝わり静かな共感が広がってます。まさに悲痛な叫びが綴られてます!2013/05/04
bluesky
0
精神がしっかりしている人の、失われていないあたりまえの感性からこぼれた言葉。美しい。2013/05/08




