出版社内容情報
【歴史/日本歴史】勝者の薩摩・長州を正統とする従来の歴史教科書に対し、徳川幕府や他藩の立場も公平に捉えた新しい幕末・維新史。幕府を支えた薩摩、天皇の命令に背いた長州が、どのように変節し、権謀術数を凝らして倒幕し、明治政府を樹立したかを鮮明に描く。
内容説明
大政奉還を説いた坂本龍馬の「船中八策」は、原文書が存在しない“謎の史料”。「討幕の密勅」は“偽勅”だった…。明治になり、誰かの都合で物語が作られ、歴史となって教育されてきた。しかし―。
目次
第1講 天皇と開国問題(ペリー来航は「突然」ではなかった;関西にもあった黒船来航 ほか)
第2講 攘夷運動盛り上がる(幕府寄りの公武合体策だった和宮降嫁;兄の夢を実現させた島津久光 ほか)
第3講 強引な政権交代(「禁門の変」で失地回復を遂げようとした長州藩;四カ国連合艦隊に高杉晋作のハッタリ通ぜず ほか)
第4講 近代日本の幕開け(戊辰戦争の「錦の御旗」は急遽作られたものだった;「賊」のレッテルを貼られた会津藩の屈辱 ほか)
著者等紹介
一坂太郎[イチサカタロウ]
萩博物館特別学芸員。1966年、兵庫県芦屋市生まれ。山口福祉文化大学特任教授・防府天満宮歴史館顧問。大正大学文学部史学科卒。春風文庫主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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からかい上手の高木さんそっくりおじさん・寺
6
図書館で斜め読み。わかりやすい幕末史だと思う。幕末好きには周知の事が多いが、高杉晋作伝説や坂本龍馬伝説の実際をきちんと暴く所が素晴らしい。著者は高杉晋作の東行庵の元学芸員であり、薩長同盟締結時に龍馬はいなかったという説を発表して批判が殺到した人物。人気者の過大評価をしない姿勢に頭が下がる。会津人気の昨今、長州側の資料を見る事の何と新鮮な事か。2013/02/07
ナリボー
4
8/10 史実に基づき、世の中のイメージや通説とその背景を丁寧かつ平易に解説していて、興味深く読み進めた。2020/05/01
えみ
2
出来れば色んな人に読んで欲しい。第一章は「ペリー来航は突然ではなかった」から始まります。教科書に書かれた歴史が必ずしも全てではなくて、歴史は作られていく物なのだと、そう改めて感じた本。きっと、教科書に書かれた歴史しか見てなかった方には、目から鱗なはず。私には、目新しい話は、あまりありませんでしたが、自分の知識を再確認するのに、良い本でした。2012/08/31
ぱちょ
1
やっぱりよく分からないところも多々。坂本龍馬は気になるなあ。なんか読もうかな。2020/09/24
らいしょらいしょ
0
この辺り、非常にややこしいんだけど、やっぱ面白いなー。この人のは割とフラットに書いてあるように思うので、読みやすい。しかし坂本龍馬のイメージ、ほんまに小説、創作の力が強いんやなぁ;; 2016/05/17