なぜ「改革」は合理的に失敗するのか―改革の不条理

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  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784023308923
  • NDC分類 331
  • Cコード C0034

内容説明

日本航空、雪印食品、夕張市、日本陸軍―。よかれと企図した“組織の改革”が頓挫する。回避策はなにか。

目次

第1章 「改革できない理由」は4つある
第2章 「改革の対象」とは何か
第3章 「改革策」に潜む不条理
第4章 「改悪」に導く不条理
第5章 「改革の主役」は誰か
第6章 「改革の不条理」を超えて

著者等紹介

菊澤研宗[キクザワケンシュウ]
1981年、慶應義塾大学商学部卒。1986年、慶應義塾大学大学院商学研究科博士課程修了。1988年、防衛大学校社会科学教室専任講師・助教授。1993年、ニューヨーク大学スターン経営大学院客員研究員。1998年、商学博士(慶應義塾大学)。1999年、防衛大学校社会科学教室・総合安全保障研究科教授。2002年、中央大学大学院国際会計研究科(アカウンティングスクール)教授。2006年から慶應義塾大学商学部・大学院商学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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リットン

7
組織の不条理と間違えて買ってしまったが、面白かった。先日読んだビジネスエコノミクスの中でとりあげられたエージェンシー理論やプロスペクト理論といったものが、より実例に近い形で説明されている。最後の方に取り上げられているカントの「自分の目的を達成するために相手を単なる物や手段として見てはいけない」というのは印象に残った。一方で、上述の経済学的な理論や枠組みに基づいて人間関係を捉え、振る舞うのは合理的で適切なやり方だと思うが、一歩違えると、周りを物や手段として扱いかねない気もするし難しいバランスだなあとも感じた2021/12/23

エイチロ

4
 行動経済学から大企業病について分析した本。今まで経営者の判断ミスや意志決定の遅れが企業を衰退させるとばかり思っていたが、実際は4つの理論で、合理的に失敗に導かれてしまうことが書かれている。ほとんどの人が思い当たることばかりで、なるほどと納得させられる。取引コストに立ち向かい、個々の利益と目的を一致させ、責任の所在を明らかにすることが失敗を避ける方法であるが、これを実行するにはかなりの英断が必要。最後のプロスペクト理論は目から鱗。たしかに、こういった誤った意志決定をとるのは理解できる。2011/08/23

牧神の午後

4
行動経済学の見地から改革が失敗する原因を分析しています。その分析は納得感はあるのですが、結局のところ、改革とは個々に矛盾した要素を人間の力で止揚することに他ならないという、ソレ行動経済学使わなくてもいんじゃね?な結論。じゃぁその人間の力ってのが何か?というところ、「空気に水をさす」という言葉はなんだか判るような判らないような。実例は今は亡き「プロジェクトX」あたりを見るべきなのか?という感じです。ちょっと惜しい。2011/07/28

k

4
「空気に水をさす人物」が改革を成功へと導く。難しいことだけど。2011/03/26

nizimasu

4
なぜタイトルのように改革や合理は失敗するのか。行動経済学の視点からこれまで日本に起こった起業不祥事などを分析する。リーダー論に行動分析学、山本七平の「空気の研究」など横断的なテーマが実はこの本にある「人間は限定合理的で常に相手の隙をついて利益を得ようとする存在」であることから発生する問題点を洗い出す。ここ最近、漫然と読んでいた本のテーマがなぜかひとつにつながってしまった。自分のイメージしていた問題点が明確になった貴重な本だ2011/03/21

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