出版社内容情報
なぜ日本では、能力や努力が正しく評価されないのか。受験を勝ち抜き、学歴を手に入れれば将来は安泰――そう信じられてきた日本型能力主義は、いま明らかに機能不全に陥っている。学校では学びが形式化し、企業では人材が活かされず、個人は努力しても報われない。その原因は能力そのものではなく、「能力をどう測り、どう評価してきたか」という制度の側にある。本書は、教育・雇用・評価という三つの制度を横断し、日本型能力主義がどのように成立し、なぜ限界に達したのかを解き明かす。学歴が能力の代替物として使われ、新卒一括採用と年功的処遇がそれを補強してきた結果、学びは入試で止まり、企業は人材を固定化し、日本社会全体の活力は失われていった。さらにAI時代を迎え、従来の評価基準が通用しなくなりつつある現実も浮かび上がる。豊富なデータと冷静な制度分析を通じて、「実力をどう可視化し、どう評価するのか」という根本問題に向き合う。学歴社会の先にある、実力が正当に評価され、何度でも学び直せる社会は可能なのか。停滞する日本社会を読み解き、未来を構想するための一冊。
【目次】
内容説明
”学歴身分社会”からの脱却が日本を再び経済大国に押し上げる!学歴フィルターが、若者の人生を入り口で選別する。一度決まった序列は、その後の努力では覆せない。受験を頂点とする評価体系が、本来の学びを空洞化させ、企業の成長を阻み、日本経済の足かせとなっている。いま求められるのは「問題を見出す力」、ジョブ型雇用、リスキリング、そして能力を可視化する仕組みだ。旧態依然とした体制を脱し、実力で拓ける国への道筋を示す。
目次
第1部 学歴社会が日本を蝕む(日本は学歴社会;大学受験型秀才がはびこる;日本人の若者の能力は高いが、実務の能力に結びつかない;世界の中での日本の大学;必要なのは、企業への補助でなく、人材の育成)
第2部 変貌する雇用体制と大学(新しい雇用体制に向けて;若年者減少と受験競争;大学をめぐる環境変化)
第3部 AI時代の雇用体制を作る―学歴から実力に(AIの利用で日本は立ち後れる;OJTがAIの導入を阻む―日本型雇用体制の根本的改革で、戦時経済体制から脱却を;学歴社会からの脱却が、日本を活性化する)
著者等紹介
野口悠紀雄[ノグチユキオ]
1940年、東京生まれ。63年、東京大学工学部卒業。64年、大蔵省入省。72年、エール大学Ph.D.(経済学博士号)。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、一橋大学名誉教授。専攻は日本経済論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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