出版社内容情報
【目次】
内容説明
「人生100年時代」のリスクとは何か。それは、単身で生きる時間が長くなることだ。「単身リスク」は誰もが避けられない。しかも今は「人生100年時代」に向かう過渡期である。これまでそれを覚悟して生きてきた先人はいない。前例もなければ、ロールモデルもいない。世界に先駆けて超長寿社会を迎えたのが日本なのだから。ゆえに問う。自己責任の限界を突き、リスクに寛容な社会の実現を―。
目次
第一章 「リスク社会」をいかに生き抜くか(20歳の大学生が描く「80年キャリア」とは;「一度落ちたら這い上がれない」というイメージ ほか)
第二章 「自己責任社会」をいかに超えるか(若者のリスクは親世代のリスク;かつての「青年」は「若者」になった ほか)
第三章 社会のセーフティネットをいかにつくるか(「富の分配」から「リスクの分配」の時代へ;21世紀型「家族のリスク」とは ほか)
第四章 「人生100年時代」のターニングポイント(「卒婚」という選択肢;高齢期の「アイデンティティ」探し ほか)
第五章 「幸福な長寿社会」のつくり方(「出生数70万人割れ」の衝撃;ひとりで複数の高齢者を介護する現場 ほか)
著者等紹介
山田昌弘[ヤマダマサヒロ]
1957年、東京生まれ。1981年、東京大学文学部卒業。1986年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。現在、中央大学文学部教授。専門は家族社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
31
「人生100年時代」に誰もが避けられない、単身で生きる時間が長くなるリスク。前例もなければロールモデルもいない国民の4割が単身世帯を問い直す1冊。少ないパイを奪い合うなり単身世帯が増加する現代で、長寿がもたらす「介護」「孤独」「生きがい」といったリスクをに対応する社会のセーフティーネットをいかに作っていくのか。富の分配からリスクの分配になった時代だからこそ、個人が安心して再チャレンジできる社会や、60代のターニングポイント、長寿社会を考える上で収入」「仲間」「生きがい」あたりは確かに重要なポイントですね。2025/11/12
まゆまゆ
16
現在の日本社会で何もせずに幸せに生きることは難しい。100歳までゆっくりと幸せに生きるためには様々なリスクを考慮して新しいライフプランを立てることが重要と説く内容。経済の自由化から始まった社会の変遷は令和になっても未だにリスクを個人に押し付けようとする。結局今の社会が持続可能と言えないのは、日本の家族制度のあり方が持続可能ではないから、という点に行き着く。2025/11/17
ヨハネス
10
自分のような一人暮らし老人のことかと思ったが、結婚しない若者の話から始まったのは想定外だった。「シングルマザーは国が支援しないから性的サービス業が補っている」「闇バイトをするほど貧困な若者へも国の支援が不足」育児も介護もみな、欧州と比較して基本的視点が欠けているという問題提起はわかったが、それでは個人は「どう生きる」のが良いのか。あたしもベーシックインカムに賛成する。仲間と生きがいづくりは国がやることじゃないよね。2025/12/01
Taizo
7
「婚活」の言葉を世の中に生み出した山田教授。今回のテーマは単身リスク。4分の1が未婚の時代、結婚を前提とした社会制度の機能不全に対して警鐘を鳴らす。基本的には社会制度を設計する側への提言が多いが、個人ベースで見ても価値観の変容を迫るような記述が多い。例えば、「リセット」。従来の進学→仕事→引退、の単一的な人生プランではなく、65歳からの人生の再設計を促す。逆に言うと年齢はあまり関係ないのかもしれない。常に新しい可能性に対して開いた自分でありたい。2025/12/21
みじんこ
5
人生100年時代、平均寿命がのびたがゆえの新たな人生設計が求められ、同時に様々なリスクも生じている。誰もが他人事ではない。100歳まで生きたいと答えた日本人の割合が他国と比べだいぶ少ないとの話は実に希望がない。昭和の感覚のまま「国が国民のケアを家族に依存し続けてきた結果」生じている歪みとして捉えるのが本書のメインテーマであり、著者の言うようにこれまでの政策の失敗を認め、社会全体でよりコミットしていくことが求められているがやや手遅れ感もある。取り上げられていた『危険社会―新しい近代への道』は予言の書だった。2026/02/08




