出版社内容情報
「人材→人財」など、ポジティブな響きを伴いつつ、時に働き手を過酷な競争へと駆り立てる言い換えの言葉。こうした啓発の言葉を最前線で活躍する識者は、どのように捉えているのか。そして、何がうさんくさいのか。堤未果、本田由紀、辻田真佐憲、三木那由他、今野晴貴の各氏が斬る。
内容説明
なんか違和感ある日本語の正体。「コミュ力を上げれば、人生うまくいく」そんな「ノリ」には、もう惑わされない!世の中にあふれる「人材→人財」「企業→輝業」などの言い換え語。ポジティブな響きを伴いつつ、働き手を過酷な競争へと駆り立てる。“カンフル剤”の役割を果たし、職場などで用いられることも少なくない。一定の効用はあるとしても、乱用は禁物。それは時に、ブラック労働や政治的プロパガンダにつながることも…。“啓発”の言葉は、なぜ社会に根強く残るのか。ジャーナリズム、社会学、教育学、歴史学などの観点から徹底分析。
目次
第1章 「人材」じゃなくて「人財」?―働き手を選り分ける言葉の起源
第2章 「頑張る」が「顔晴る」に―現代人をむしばむ“努力至上主義”
第3章 仕事を「志事」と呼ぶ理由は?―働く厳しさマヒさせる“言葉の麻薬”
第4章 「企業」から「輝業」へ―平成期の“成功神話ブーム”
第5章 「最高」を「最幸」と書く心理―行政も用いる“お仕着せの感動”
第6章 「人財」はうさんくさい?―飯間浩明さんが語る意外な見解
第7章 職場を覆う「搾取ワード」―今野晴貴さんが分析する企業の狡知
第8章 「総動員」のための“物語”―辻田真佐憲さんが説く言葉の怖さ
第9章 互いに求めすぎる企業と労働者―赤木智弘さんが解く「人財」流行の謎
第10章 “リスキリング”首相発言への疑問―「心に手を突っ込まれる」気味悪さ
第11章 権力者がうたう「利便性」の罠―堤末果さんが見抜く“煽り”の罪
第12章 「コミュ力」と大人の支配欲―本田由紀さんが斬る「望ましい人間性」
第13章 「社員は宝と言うけど…」―三木那由他さんが思う造語の危うさと希望
著者等紹介
神戸郁人[カンベイクト]
1988年、東京都生まれ。上智大学文学部哲学科卒業後、記者枠で一般社団法人共同通信社に入社。福岡支社、札幌支社、山形支局で勤務し、東日本大震災関連報道などに取り組む。2018年から2023年まで、朝日新聞社のウェブメディア「withnews」にて記者・編集者の職務を担い、宗教や障害、オタク文化、自己啓発本といったテーマについて取材。「人間が生きるための糧とは何か」との問題意識を持ち、記事を執筆した。その後もライフワークとしてライター活動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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