出版社内容情報
移民政策を避けてきた日本を人口減少の大津波が襲っている。GDP世界3位も30年後には8位という並の国になる。まだ、日本に魅力が残っている今、外国人から移民先として選ばれるための政策をはっきりと打ち出して、この国を支える人たちを迎えてこそ、将来像が描ける。
内容説明
外国人労働者受け入れ以外に、社会維持の手はない。壮年国・日本が目指すべき道とは―。1960年頃に20歳代だった平均年齢は、2022年には48・6歳となった。急速な人口減少と高齢化、経済の長期低迷は、日本だけに限ったことではなく、いまや世界各国の先進国の“悩みの種”となっている。世界が固唾をのんで見守る、ジャパニフィケーション(日本化・衰退化)の行方は。そして、なぜ日本では「移民」がタブーになったのか。現代日本が陥る「ジレンマ」から抜け出す方途を徹底検証する。
目次
第1章 人口減危機と移民ジレンマ
第2章 移民政策がなぜタブーとなったか
第3章 移民を国民はどうとらえているか
第4章 移民効果を巡る論争
第5章 外国人を受入れてきた日本の歴史
第6章 ドイツはこうして移民を受入れた
最終章 移民と共生するニッポン
著者等紹介
毛受敏浩[メンジュトシヒロ]
1954年徳島県生まれ。慶應義塾大学法学部卒、米エバグリーン州立大学公共政策大学院修士。兵庫県庁に入職後、日本国際交流センターに勤務し、現在、執行理事。文化庁文化審議会委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よっち
30
移民政策を避けてきた日本の人口減少。まだ日本に魅力が残っている今、外国人から移民先として選ばれるための政策をはっきりと打ち出して、この国を支える人たちを迎える必要性を説いた一冊。人口減少の危機によって何が起きるのか、なぜ日本で移民政策がタブーとなったのか、移民を国民は実際にどう捉えているのか、移民の効果を巡る論争、外国人を受け入れてきた日本人の歴史、積極的に移民を受け入れてきたドイツの事例などを紹介しながら、冷静に様々な論点を分かりやすく整理しながら、これからの移民政策を考えるために参考になる一冊でした。2023/07/05
ta_chanko
19
AIによる技術革新・省力化が著しく進んだとしても、おそらく少子高齢化による労働力の不足は補いきれない。実際、留学生や技能実習生という名目で大量の外国人が日本に働きに来ている。そして既に、その労働力なしに日本社会は回らなくなっている。問題は、日本社会にいかに溶け込ませるかということ。日本人との生活上の交流がなく、互いに隔絶した状態では、摩擦が起こってしまう。欧州のイスラム移民のようなかたちではなく、日本に来た移民または移民二世がいずれ日本語を話し、日本文化を受け入れられるようにしていかなければ。難しい課題。2023/08/30
Oki
2
気がつかないうちに、何故だか、日本人が子供を産まなくなり、何故だか外国人が増えているのは不思議。 こういう生物学的なことに人の作為がどの程度効くのかもよくわからない。 2024/03/03
お抹茶
2
少子高齢化という現実を受け入れ,移民・外国人労働者に来てもらうような日本になるように提案する。教育投資ゼロで即戦力となる人材を入手できるのが日本だが,出稼ぎの収入の大半が仕送りになると日本経済への貢献は限定されるため,日本語教育を負担しても,日本人並みの給与にして消費を促すことが必要。日本語が身につかないまま大人になると安定した職業に就けない。日本での移民受入れの歴史,ドイツの移民政策などテーマは多彩だが,もう少しテーマを絞って深掘りした方が良いように思った。実際の外国人労働者への取材は別の本でチェック。2023/08/01
takao
2
ふむ2023/07/07