出版社内容情報
「ガッツ」重視の就活に始まり、妻子の経済的支柱たることを課せられ、育休をとれば、出世ラインを外れれば、同僚らから蔑視される被抑圧性。「男らしさ」のジェンダー規範を具現化できず苦しむ男性が増えている。定年後も続く「男」の呪いから解き放たれ、誰もが生きやすい社会を、詳細ルポを通して考える。
内容説明
男たちは支配「している」のではなく、支配「されている」―。「男らしさ」を求められる就活にはじまり、家庭では妻子を養いながらも軽んじられ、職場では同僚からも蔑視される。就活から定年後まで続く抑圧が、終わる日は来るのだろうか?1500人以上の男性の本音を引き出してきた筆者が、「男」の呪いにがんじがらめになる彼らの姿を描く、衝撃のルポルタージュ。本書に登場するのは、あなた自身であるかもしれない―。
目次
第1章 女性に虐げられる男たち(「女性優遇」が招く男性差別;「活躍」妻の不貞を知らぬフリ;「専業主婦」妻のDV;「女性は被害者」が男を追い詰める)
第2章 男性に蔑まれる男たち(定年後雇用で「奈落の底」;同期に“刺された”フラリーマン;“育メン戦士”の罠;「男」の価値観に翻弄される氷河期世代;“敗者”男性が多数派の時代)
第3章 母親に操られる男たち(“無償の愛”という名の支配;「マザコン」中年の末路;母の亡霊と生きる;母親に依存する男性の苦悩)
第4章 「親」の代償を払わされる男たち(「就活セクシズム」の衝撃;上司の「常識」は社会の「非常識」;「男は仕事、女は家庭」両親は反面教師のはずが…;若年層を蝕む古い価値観)
第5章 誰も支配されない社会に向けて(「男らしさ」の呪い;幸福度の低い日本の男たち;男性間の支配構造;なぜ母親に回帰するのか;世代を超えた負の連鎖;生きづらさが職場に与える悪影響;「男」の呪いを解くには;男性のためのジェンダー平等政策)
著者等紹介
奥田祥子[オクダショウコ]
京都市生まれ。近畿大学教授、ジャーナリスト。博士(政策・メディア)。元読売新聞記者。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程単位取得退学。専門は労働・福祉政策、ジェンダー論、医療社会学。2000年代初頭から社会問題として俎上に載りにくい男性の生きづらさを追い、「仮面イクメン」「社会的うつ」「無自覚パワハラ」など斬新な切り口で社会病理に迫る。取材対象者一人ひとりへの20数年に及ぶ継続的インタビューを行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おいしゃん
金城 雅大(きんじょう まさひろ)
二人娘の父
yurari
うる