出版社内容情報
人間は健全な脳を保つために、「積極的に忘れる機能」を持っていた! 最新の脳科学をもとに、「記憶と忘却」の正体を解説。脳寿命を延ばすメソッドのほか、「忘れたい記憶」を消し「忘れてはいけない記憶」を維持するための方法を提案。
内容説明
「忘れることは悪いこと」ではない。「不必要な記憶」をきちんと忘れることこそが、ボケず、脳機能を維持し、新たな記憶を取り込んでいくために最重要。最新の脳科学をもとに「記憶と忘却」の新常識を解説。この本の大事なポイントだけは、「忘れて」はいけない!
目次
第1章 物忘れは「脳の進歩」―そもそも記憶とは何か?
第2章 脳が持つ「忘れる力」―忘却で新たな記憶を獲得する
第3章 絶対に忘れない記憶がある
第4章 脳と身体はセットで機能する
第5章 脳寿命を延ばす―「忘れられる脳」の作り方
第6章 忘れることが未来を作る
おわりに―忘れることは良いことである
著者等紹介
岩立康男[イワダテヤスオ]
1957年東京生まれ。千葉大学脳神経外科学教授。千葉大学医学部卒業後、脳神経外科の臨床と研究を行う。脳腫瘍の治療法や免疫学的遺伝子治療の基礎研究などに関する論文多数。2017年には、脳腫瘍細胞の治療抵抗性獲得に関する論文で米国脳神経外科学会の腫瘍部門年間最高賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ねこ
116
興味深い本でした。脳寿命をのばすにはどんどん忘れなさいと…。記憶はその性質により分類でき、忘れにくい記憶から、手続き記憶(箸の使い方など)、情動記憶(喜びの記憶など)、意味記憶(1+1=2など)、エピソード記憶(昨日のランチなど)がありますが脳が不要と判断すれば忘却させる。又、脳と記憶を司る2大システム「集中系」と「分散系」。集中し、とことん考え続けるとリラックスしている時や寝覚めた時など無意識の中で記憶が整理、統合され最適解にひょっこり辿り着ける事がありますよね。…AIは人の脳には遠く及ばない…現状では2023/09/17
tamami
59
世に記憶術に関する本は無数にあるけれども、本書が訴えるのは、忘れなければ新たな記憶も出来ず、そのため脳には物事を忘れるための仕組みさえあるという。記憶とは、脳内のニューロンによって形作られた網目状の組織を、ある種の刺激が通り抜ける現象というくらいに理解しているが、本書には、記憶を形成する際、タンパク質が重要な役割を占めているという記述があり、昔言われていた記憶を蓄える薬の再来かと思ったが、少し違うようだ。脳と身体はセットで機能する、脳寿命を延ばす等、身体と脳をバランス良く働かせることの大切さを教えられる。2022/10/18
涼
56
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2022/12/post-ecb863.html 「忘れること」への不安が少しでも和らぐなら、それは良書なのかもしれません。2022/12/13
ヨハネス
12
忘れることができないと大変なことになるらしいが、そういう障害の人が稀にいると聞くので心配になった。不要な記憶があると「よく考える」ことができない。「嫌な記憶を忘れるには、まずしっかり落ち込むことが必要」落ち込むとはよくわからない表現だが、気落ちすることだろうか?脳活動の集中系と分散系の偏りが脳の炎症を招くという。スマホゲームが集中系でSNSの流し読みが分散系というのが意外。「忘れる」以外の記事が面白かった。2022/12/07
templecity
12
忘れることは悪いことだと小さい頃に言われたが、実は忘れることができるから新しいことを覚えられるということ。大体8~10歳位で脳の基本構成は固まってしまう。また3歳までに気質なども決まる。この時期迄に楽しいことを体験させたり性格を決定づけるようなしつけなどをすることが重要。この時期迄の記憶は歳をとっても覚えているものだ。脳の記憶容量は決まっているので忘れないと新しいことは覚えない。何度も覚えようとして初めて記憶として定着する。一夜漬けは記憶に残らないのはそのためだ。(続きあり) 2022/11/20
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