出版社内容情報
近年、目覚ましい成果を遂げる日本のいのちの科学。免疫学、腸内微生物、性染色体、細胞死、遺伝子疾患、粘菌の生態、蛋白質構造、免疫機構、遺伝性制御から「こころの働き」まで、最先端の現場で生物の不思議を究める10人の博士の驚くべき研究に迫る。
内容説明
「病は気から」は本当か?老化現象は不可避か?生命現象の源であるタンパク質とはいったい何モノか?ヒトの体内細胞は37兆個にのぼり、日々“奇跡”を起こしながら、私たちの身体を守り続けている。知れば知るほど深まるいのちの謎に挑む、第一級の博士による最新の科学知がここに!
目次
1 進化の衝撃(酵素の研究が解く「性」のグラデーション;いかにして腸内細菌はヒトと「共生」するのか;脳のない生物にも知性はあるのか)
2 細胞のドラマ(死のメカニズムを生きる力に変える;敵にも味方にもなる免疫機構を見極める;老いの制御の今と未来;分詞心理免疫学で「病は気から」を解明する)
3 コンピュータで解く生命(遺伝子研究が導く創薬のかつてない領域;タンパク質探究で生命現象の源へ)
4 こころといのち(身体の外にも広がりゆくこころ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かやは
12
理系のライターチーム、チーム・パスカルによる研究者たちへのインタビュー。専門的なことも書かれているが解説がわかりやすいので読みやすかった。研究者ほど「自分が知っていることはほとんどない」ということを心の底から痛感している人はいないだろう。生命というものの設計図もまだ読み解けていない。現在解明されている科学的要素のみで新たな技術開発しようとしたとき、実は判明されていない隠された要素が存在しているためそれが叶わないことがある。完璧な天気予報は不可能だろう。それが可能になれば、未来予知も実現するのかもしれない。2023/01/26
こたちゅう
4
生命科学の最前線のトピックを、分かりやすく紹介するというコンセプトの本。分かりやすく書いてくれているのだろうが、私立文系で高校から理数系についていけなかった私のような人にはついていくのがちょっと厳しかった。最後の河合俊雄教授の話は理解できたと思う。書いたのはサイエンスライター?の人達のようだが、できればもっともっとわかりやすく書いてくれるとありがたかった。でも出版から日も浅く、最先端のお話を目にすることができたのは有意義だったと思う。2023/02/06
asajee
3
視野を広げるための一冊2023/01/24
林克也
2
それぞれの研究内容と研究者の人柄がわかりやすく、大変参考になった。こういう研究者たちがいるからこそ、人類はもう少し生き延びられるのではないかと希望が持てた。 しかし、この人たちは現在日本の大学で研究しているわけで、クソ政府の学術虐待に対して誰一人苦言を呈していないのが気になった。出版社=朝日新聞の政治屋への忖度か?2023/11/30
えっちゃん
2
Ⅰ進化の衝撃/1酵素の研究〜(立花誠)2いかにして腸内細菌〜(後藤義幸)3脳のない生物〜粘菌(中垣俊之) Ⅱ細胞のドラマ/4死のメカニズム〜(清水重臣)5敵にも味方にも〜(竹内理)6老の制御〜(本橋ほづみ)7分子心理免疫学で「病は気から」〜(村上正晃)Ⅲコンピュータで解く生命/8遺伝子研究が〜(中谷和彦)9タンパク質探求〜(中村春木)Ⅳこころといのち/10身体の外にも〜(河合俊雄)/面白かったのは「性スペクトラム」がグラデーション。粘菌のネットワーク。こころに「流行あり」最新の情報が盛り沢山!2023/02/09