朝日新書<br> 内側から見た「AI大国」中国―アメリカとの技術覇権争いの最前線

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朝日新書
内側から見た「AI大国」中国―アメリカとの技術覇権争いの最前線

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  • サイズ 新書判/ページ数 269p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784022951243
  • NDC分類 007.3
  • Cコード C0236

出版社内容情報

「データが情報化社会のオイルなら、中国は圧倒的な産油国だ」と自認し、対話アプリやキャッシュレス決済、町にあふれる監視カメラなどで情報を集約する。そこからのシステム・技術はアメリカを超えて、両国の軋轢となっている。中国AIの実際を中国特派員が内部から書いた。

内容説明

街中の監視カメラや、キャッシュレス決済で懐の中、心の中までAIが支配する国で―。社会主義と市場経済という2本の手綱を操って14億人から湧き出るデータをエネルギーにしながらアメリカとテクノロジー覇権争いを展開している中国。AI技術で10年以内に世界トップに躍り出るといわれるが、起業家たちは何を目指し、市民は何を求めているのか。中国技術の強さと弱さが全てわかる、特派員による最前線報告。

目次

第1章 AI大国が突っ走る(エクサバイトの世界;新たな時代の「産油国」 ほか)
第2章 監視社会(人びとを追う無数のカメラ;向上する治安と人びとのモラル ほか)
第3章 中国技術のアキレス腱(半導体を狙い撃ち;米国を震撼させた男 ほか)
第4章 社会主義下のイノベーション(技術のリスクに対する楽観;「計画経済が大きくなる」 ほか)
第5章 ニューエコノミーの旗手たち(「スカウター」を作った男呉斐;武漢で活躍した肺炎検知AI陳寛 ほか)

著者等紹介

福田直之[フクダナオユキ]
1980年東京都生まれ。慶応義塾大学法学部政治学科卒業。2002年朝日新聞社入社。名古屋、東京で経済記者。その間、欧州ジャーナリズム・センター研修派遣、北京大学で中国語研修。17年4月~20年8月北京特派員。現在、東京で経済記者を務めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あちゃくん

52
IT分野から見た中国の現状、一部でファイティングポーズをより強固にしながら一部で経済的に依存を続けている米中関係、政府とジャック・マーの対立の背景、台頭してきているIT起業家たちの素顔、いろいろ知ることができて良かった。2021/06/26

よっち

37
対話アプリやキャッシュレス決済、町にあふれる監視カメラなどで情報を集約する中国AIの実際を中国特派員が内部からレポートした一冊。個人情報を活用されることを許容していて、14.5億人のうち9.8億人がインターネットを利用する中国。その膨大な母数を武器に市場で積極的にチャレンジした結果が、今のキャッシュレス経済を築いたということですね。不備を許容できない日本はこういうやり方をできないと思いましたけど、米中摩擦の中で質の高い半導体をどう確保するのか、注目される起業家たちの紹介もあってなかなか興味深く読めました。2021/05/28

チャー

17
記者であり北京特派員を務めた著者が、大国の電子化の状況を綴った本。信用をデータ化して管理し経済的なシステムとして取り入れることで、個々の行動変容を促したという点はデジタル化の良い結果でありなるほど思う。個人的な情報に対する価値観の違いも技術の浸透に影響しているという点は、国民性の違いによる影響の大きさを感じた。データ収集の規模が大きく影響するAIの活用について、国民性の違いからの指摘は大変興味深い。細かいことを考えずまずやってしまうという点は、リスクを過度に考えず行動するためにも重要な視点。2024/09/07

Hatann

11
中国におけるテクノロジーを取り巻く状況を説明する。AIを利用した監視社会の進展は治安とモラルの向上のための必要なコストとして市民に受け入れられている(香港・新彊などを除く)。半導体事業の遅れが中国におけるAI発展阻害要因になりうる。半導体の設計についてはハイシリコンなど有力企業が育ったが、高性能半導体を製造する業者が育っていない。中国のイノベーションは民間企業の創意に支えられたが、習政権は国営企業重視の姿勢を打ち出している。このことが中国全体のイノベーションを停滞させる可能性を残す。必ずしも順調ではない。2022/03/30

さまい

6
タイトルから中国のAI解説の本を期待していたのだが、実際には中国を最新テックと政治の関わりの観点から解説した本だった。中国は個人情報保護が整備されていないのでAI技術者にとっては他国よりもデータを集めやすいメリットがある。一方でAI技術の基盤となるセンサーや集積回路、ソフトを自国で開発出来ていない弱みもある。中国といえばスマホなどの最新テックで台頭してきた国という印象があったが、その基盤が輸入頼りというのはかなり意外だった。2021/09/14

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