出版社内容情報
住宅確保は自己責任とされ政策として意識されたことのない日本。住まいの貧困に取り組む著者は、住宅確保ができずに路上生活から死に至る例を数限りなく見てきた。支援・相談の現場歴二十余年の経験から、「2020以後」の日本社会に警鐘を鳴らす。
内容説明
「大人の貧困は自己責任」という不寛容が日本社会を覆っている。日々の寝泊まりにも困り、生活に困窮している人々が自ら声をあげにくい風潮はますます強まっている。住居を喪失した人が失うのは、生活の基盤となる住まいだけではない。その果てにあるのは、生存そのものが脅かされる恐怖だ。20年以上、現場を見て歩いてきた社会活動家が「社会的に排除された側」からこの国を見つめ直す。
目次
第1章 2020年東京五輪の陰で排除される人々(都市空間からの排除;池袋西口公園から消えた路上生活者 ほか)
第2章 世代を越えて拡大する住まいの貧困(今晩から野宿になるとブログで報告した若者;「ネットカフェ難民」調査が明らかにした実態 ほか)
第3章 最後のセーフティネットをめぐる攻防(「私は人間だ、犬ではない」;就労可能か不可能かという「線引き」 ほか)
第4章 見えなくさせられた人たちとつながる(『路上脱出ガイド』を作成、無償配布;『路上脱出・生活SOSガイド』への名称変更 ほか)
著者等紹介
稲葉剛[イナバツヨシ]
一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事、認定NPO法人ビッグイシュー基金共同代表、立教大学客員教授、住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人、生活保護問題対策全国会議幹事。1969年、広島市生まれ。東京大学教養学部卒業(専門は東南アジアの地域研究)。在学中から平和運動、外国人労働者支援活動に関わり、94年より東京・新宿を中心に路上生活者支援活動に取り組む。2001年、湯浅誠氏と自立生活サポートセンター・もやい設立(14年まで理事長)。09年、住まいの貧困に取り組むネットワーク設立、住宅政策の転換を求める活動を始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆう。
lily
niki
TOMTOM
Daimon