出版社内容情報
なぜ、日韓関係はここまで絶望的にこじれるのか? 今こそ、韓国の「ハラのうち」を知る必要がある──朝日新聞前ソウル支局長が「戦後最悪」の日韓関係の背景、韓国の「論理と本音」を明らかにし、誰も言っていない解決のヒントを提示。
内容説明
どうして「日韓」はこんなにこじれるのだろうか!?疑問氷解の一冊。元徴用工賠償判決、慰安婦財団の解散、迷走するレーダー照射事件、さらには「天皇謝罪要求」発言―。日韓関係は「戦後最悪」の状況に立ち至った。日本人には理解しがたい韓国の主張の裏側に何があるのか!?歴代大統領と日本との軋轢を掘り起こし、文在寅政権の実像と、政治・外交の大物の「論理」と市民の「本音」をあぶりだす。
目次
第1章 レーダーと旭日旗―迷走の裏側
第2章 徴用工判決と慰安婦財団―対立の真相
第3章 日韓愛憎の100年
第4章 文在寅とは何者か
第5章 混乱する韓国社会
第6章 日韓の未来
著者等紹介
牧野愛博[マキノヨシヒロ]
朝日新聞編集委員(朝鮮半島、米朝・日米関係担当)。前ソウル支局長。1965年生まれ。早稲田大学卒業。1991年、朝日新聞社入社。政治部、機動特派員兼国際報道部次長、全米民主主義基金(NED)客員研究員などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
koji
17
中小企業経営者との間で、最近「戦後最悪の日韓関係」が話題に上ります。そこで本書と週刊エコノミストの特集「絶望の日韓」を読んでみました。エコノミストによれば「法治の日本と正義の韓国の違い。韓国における日本の相対的重要度の低下」、本書によれば「日本人の朝鮮人への差別的な態度と韓国の反日教育。韓国人の体制への不安や怒りの増嵩」。どれも真実の一端ですが、ではどう考えるか。本書にある後藤田正晴の言葉(この地上に戦争の記憶を持っている人がいるうちは、日本は憲法改正の話を持ち出してはいかん)を重く受け止めたいと思います2019/08/29
kenitirokikuti
9
毎日新聞 2019年9月29日 「今週の本棚 鼎談 東アジアの現在(詳報) 評者・三浦雅士、佐藤優、岡本隆司」 https://mainichi.jp/articles/20190927/org/00m/040/026000c 〈イギリス国民と外国人の間に旧植民地のコモンウェルス(英連邦)国民が存在する。コモンウェルス国民は、奨学金も就労ビザも簡単に取れるなど優遇されている。〉これが旧宗主国の責任感だが、日本のそれは台湾には残ったが、朝鮮へは薄らいだ。〈このことが現在の日韓対立の根っこにある〉2019/10/09
hisa_NAO
5
まえがき、が出色。2019/08/05
梅干を食べながら散歩をするのが好き「寝物語」
5
著者は朝日新聞の前ソウル支局長。韓国で勤務した記者としての視線で、これほどまでにこじれた日韓関係の背景について考察している。 歴代の大統領の政治家としての生い立ちや政治的態度、過去の日本の政治家による韓国に対する対応、両者が秘める本音など、新聞記者だけあって非常によく調べている。 最近の日本の政治家の冷たさと優柔不断な韓国の政治家、彼らのすれ違いなどについての論考を残念な思いを抱きつつ読んだ。韓国の警備当局筋は「韓国の一般市民の大多数は日本が好き」と分析しているという。このこと知り私は少し安堵した。2019/06/30
春菊
3
最近の日韓問題の韓国側主張の概略について述べられていて参考になった。戦後の両国関係について人物名や事件名しか知らなかったことを知ることができた。「文世光事件」はまったく知らないことだった。韓国において親日が肯定的でないならば、現状の冷たい関係は仕方のないことだろう。お互いに自由主義陣営としての必要な付き合いだけをして、冷却期間をおくしかないのではなかろうか。関係改善を急ぐことはないと思う。第一期安倍政権・民主党政権・文在寅政権には、自陣営の理念を現実を無視して当てはめるという共通の特徴があるように感じた。2021/01/31