朝日新書<br> 脱・成長神話―歴史から見た日本経済のゆくえ

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朝日新書
脱・成長神話―歴史から見た日本経済のゆくえ

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  • サイズ 新書判/ページ数 218p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784022735911
  • NDC分類 332.107
  • Cコード C0233

出版社内容情報

【社会科学/経済財政統計】豊かで安定した社会を実現する「手段」だった経済成長がいつの間にか「目的」となり、政府も国民もその言葉に呪縛されている。経済史を専門とする東大大学院教授が「経済成長」を歴史的文脈から読み解き、日本社会と経済学のありうべき姿を展望する。

内容説明

資本主義経済が成立してから300年、永続的な高成長は実現していない。しかし、成長が終わった後でも、豊かで幸福な社会は可能である。歴史からの検証を通して経済成長の呪縛を解き、日本社会の最善の未来を探る。

目次

第1章 経済成長の意味を考える
第2章 日本の高成長とは何だったのか?
第3章 経済成長の可能性を考える(1)―変わるエネルギー事情と資源の制約
第4章 経済成長の可能性を考える(2)―財政の課題
第5章 経済成長の可能性を考える(3)―高齢化の意味
第6章 経済成長という呪縛から解放されること

著者等紹介

武田晴人[タケダハルヒト]
1949年生まれ。東京大学大学院経済学研究科教授。同大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。経済学博士。専攻は日本経済史。近世から現代までの経済現象を様々な視角から研究している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壱萬弐仟縁

24
ラスキンは「この最後の者にも」のエッセイで、経済学者を批判。経済学者の最大の誤りは、人間の生は快楽を追求、労働は苦痛。富は苦痛を補い快楽を増す手段と教えたこと。他人や環境への配慮を失わせ、生活を脅かす一因となった。彼の言葉に現代に通底する問題が潜む。明治維新より前に世に出た(23頁)。ここにも意味あり。直面している変化は、高度成長期に作り出された子供を育てる社会⇒高齢者を養う社会への転換(160頁)。社会的にどうしても多数派に配慮せざるを得ない。2015/07/29

Francis

19
6年間も積ん読してしまったが、むしろその方が良かったと思える内容。経済成長そのものが人々の幸福感を高めるものではなく、あくまで様々な問題を解決するための手段の一つであること。日本の高度成長は何をもたらしたのか。そしてこれから経済はどうあるべきか、を論じている。武田先生は日本経済史が専門だそうで、小峰隆夫先生の「平成の経済」に通じる「冷静な視点から過去の日本経済を振り返る」ものがあると感じた。2020/06/21

ミッキー・ダック

18
成長戦略であるアベノミクスは、時代錯誤だと主張し、その理由を歴史と統計に依りながら解説。物的な豊かさと完全雇用を目指し、生産性上昇を上回る雇用増加を可能にする高成長が求められたが、成熟化して物的な豊かさに満足感が得られなくなり、高生産性の機械工業の減少、低生産性のサービス業の増加という産業構造の変化が起こって低成長になった。更に資源制約・財政悪化・高齢化・格差拡大の問題も深刻化する中、生産性上昇を生活の質の向上に活かせる経済社会を構築すべしという。問題は明確になったが、どう可能なのか先は見えない。 2015/01/19

うちこ

5
成長神話というのはどういう経緯で成り立っていたのか、ということを知るのにとてもよい本でした。 資源節約と単価の関係について正確に評価できるモノサシを持つべきだという考えは、寄付に対してピーター・シンガーという人の考えるそれと似ています。ただ日本でそれをどうするかというと、日本人の心理を踏まえて実行に移すことのむずかしさも感じます。2018/06/19

Kentaro

1
成長しなくてもいいから金利ゼロで生活でき、ブラック化せず、相応の対価が得られる経済モデルが好ましいといった内容でした。 ちょっとリベラルに寄り過ぎかなと感じるとともに、おや世代より出世する、成長する夢を持って生きて欲しいなと感じた一冊でした。2017/10/06

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