内容説明
「脱原発派一本化で立候補を辞退しろ!」「おい、コラ、お前が代わりにカネ返せ!」都知事選で流された悪意のあるデマ・嫌がらせ。サラ金・ヤミ金・貧困問題で対峙する悪いやつら。ひるまず、いばらず、市民とともに立ち向かう。闘う弁護士・宇都宮健児が臨場感たっぷりに語り下ろす衝撃ドキュメント、全四編。
目次
序章 敗北を乗り越えて
第1章 東京都知事選挙に市民ボランティアと挑む
第2章 「クレサラ運動」の歴史的勝利
第3章 「反貧困運動」の全国展開へ
第4章 貧困化する弁護士を救え!
終章 市民運動が「勝つ」ために
著者等紹介
宇都宮健児[ウツノミヤケンジ]
1946年愛媛県生まれ。東京大学法学部中退、司法研修所入所。71年、弁護士登録。日弁連上限金利引き下げ実現本部長代行、同消費者問題対策委員長、東京弁護士会副会長、豊田商事破産事件破産管財人常置代理人、全国クレサラ・生活再建問題対策協議会(全国クレサラ対協)副代表幹事、全国ヤミ金融・悪質金融対策会議代表幹事、オウム真理教犯罪被害者支援機構理事長、反貧困ネットワーク代表、「年越し派遣村」名誉村長、日弁連会長などを務める。2012年12月14年2月の東京都知事選挙に立候補し、それぞれ96万8960票、98万2594票を獲得し、次点となった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
30
市民運動で悪と闘う(20頁~)。士業では昔から儲けにはならなくても、弱者の人権を守る活動には手弁当で駆けつけるという良き伝統があった(27頁)。坊主みたいに、金づるでないことを祈りたい。脱原発、反貧困、教育行政の転換、憲法擁護を掲げての選挙戦(30頁)。正論だと思う。史上初めての市民選挙(48頁~)。96万票以上の重み(49頁)は他の選挙区でも市民が投票する意義を持っていると思われる。棄権は危険だ。勝てる候補と勝たせたい候補(54頁)。2015/07/13
すみけん
12
市民運動によって、日本の諸悪の根源を断ち切っていく。とはいえなかなかドラマのようにはすんなりいかないのが現実だと思うが、それでも粘り強く反貧困運動や弁護士救済の活動を続けておられる骨太の弁護士。中坊さんの後を受けて、今後も精力的に活動を継続してほしい。自分もできることは協力したい気持ちになりました。こういう人を都知事に選ぶべきではなかったかと思わされた一冊。2014/09/06
きょん
11
都知事選、クレサラ問題、反貧困活動、司法制度改革の見直しなと、これまでの様々な運動の軌跡がわかる。困難を乗り越え、法改正、グレーゾーン金利撤廃という成果を手にしたクレサラ運動。法治国家における市民運動は立法につなげることが肝要だという見解はそのとおりだと感じた。ただ反対を唱えるだけでは成果は出せない。自分も批判や愚痴だけではなく何かやらなければ、という気持ちにさせられた。2014/08/27
てくてく
6
強面ではなく、むしろ気が弱そうな印象を与える外観とは異なり、悪徳金融や貧困撲滅のために、強面の方々と戦い続けてきた宇都宮弁護士による、自伝のようなもの。日弁連会長選挙や都知事選(特に二期目)の裏話などがあって興味深く読んだ。前者については巨額の金が動くということは聞き及んでいたが、選挙に際して本を出してそれを配る云々という箇所が面白かった。また、単に反対を叫ぶのではなく、対案(この場合は法律案)を示すことが必要であり、そのために弁護士が役に立つことがあるという主張も納得した。2014/09/23
どら猫さとっち
5
都知事選の驚くべき舞台裏、高金利引き下げに奔走したクレサラ運動、年越し派遣村から反貧困運動へ、貧困化する弁護士を救うべく日弁連会長に…。闘い続けてきた弁護士・宇都宮健児の記録がこの一冊に!知られざる彼の素顔と心意気が垣間見える、不撓不屈の熱い一冊。是非この方に、都知事になってほしい。この方ほど本当の意味で正義感が強く、いろんな人たちに優しく接する人物は、他にいない。2014/08/31