朝日新書
無業社会―働くことができない若者たちの未来

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  • サイズ 新書判/ページ数 214p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784022735652
  • NDC分類 367.6
  • Cコード C0236

出版社内容情報

【社会科学/社会】15~39歳で学校に通わず、仕事もしていない「若年無業者」。メールが送れない、仕事のスキルゼロ……日本に600万人とも推計される彼らの実態と未来、対策を、若年無業者2000人以上からのリアルなデータに基づき、気鋭のNPO経営者と社会学者が解く。

内容説明

15~39歳で、学校に通わず、仕事もしていない「若年無業者」2333人のデータから見える本当の姿とは。現場を知るNPO代表と気鋭の社会学者によるミクロとマクロ双方の現状認識と衝撃の未来予測、いま打つべき方策を解き明かす!

目次

第1章 なぜ、いま「若年無業者」について考えるべきなのか
第2章 「働くことができない若者たち」の履歴書
第3章 「働くことができない若者たち」への誤解
第4章 「無業社会」は、なぜ生まれたか?
第5章 「無業社会」と日本の未来
第6章 若年無業者を支援する社会システムのあり方
第7章 「誰もが無業になりうる社会」でNPOが果たす役割

著者等紹介

工藤啓[クドウケイ]
1977年、東京都生まれ。特定非営利活動法人育て上げネット理事長。2001年若年就労支援を専門とする任意団体設立、2004年NPO法人化。金沢工業大学客員教授、東洋大学非常勤講師

西田亮介[ニシダリョウスケ]
1983年、京都府生まれ。立命館大学大学院先端総合学術研究科特別招聘准教授。専門は情報社会論と公共政策学。情報と政治、ソーシャルビジネス、協働推進、地域産業振興等を主な研究テーマとする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

WATA

79
若者の失業についての世間イメージと実態とのギャップを明らかにする本。一番の見所は統計結果とその解説の部分。若年無業者を「求職型」「非求職型」「非希望型」の3タイプに分けて分析するという視点は新しい。病気などにより働けなくなる→失業すると再度働くのが困難な社会→働けない状態が長引いて希望を失っていく→さらに選択肢が狭まっていく、という負の連鎖がデータから見えてくる。働くのが当たり前という考え方が根強く残っている一方で、働けることが当たり前でなくなりつつある、という言葉がこの本の言いたいことを全て表している。2014/08/24

kinkin

66
誰もが無業になりうる可能性をもつにもかかわらず、無業状態から抜け出しにくい社会を、「無業社会」と呼んでいる。本書の定義。私が思うに1970年代以前は、その人に応じた仕事というものがあったのではないかラーメンの配達、酒屋、米屋、寿司屋の見習い、大工etc。自分の希望と能力を考えて職に就き、小さな夢でも持ちながら。ダメならまた次ぎの職を探していた。働かないではなく働くことができない若者たちの今が書かれていた。就職のための大学、就活という言葉が出来た頃から同時にフリーターやニートという若者が増えたと思う2014/09/07

Miyoshi Hirotaka

52
レコードからCD、携帯からスマホへの変化は始まりとその理由の説明は容易。一方、それが難しい変化がある。少子化、高学歴化、晩婚化などがそうだ。若者の無業化も後者。もう、怠惰な若者として根性論で罵倒し、自己責任と結論づけられるほど小さな問題ではない。しかし、無業社会の正体は不明。キャリアの空白を好まない傾向、一流大卒の一括採用に特化し、徹底的に効率化された採用システム、企業内の人材流動性を優先する教育研修体系などの複合的な要素に起因するらしい。その起源は戦前の人材囲い込みの仕組み。これもまた、制度疲労の一つ。2016/04/21

おかむら

45
働きたい気持ちはあるけど働けない若者が16人に1人の割合でいるそうです。メンタル弱えーなーと思ってしまうけれども、事例を読むと一度挫折すると元に戻れない社会構造になってるのがわかる。確かに。誰でもなりうる。そして「よく真面目だねと言われる」子や「考え過ぎてしまう性格」の子が多いとか。あー、なんとなくわかるわー。でも世の中イキイキ働いてる人よりイヤイヤ働いてる人の方が絶対多いんだから、なんとか私らの老後の年金のためにイヤイヤでも働いて下さいとお願い致します。2016/03/25

saga

42
若年無業者をどうするか。大卒で就職するも離職、不登校で高校中退などなど、様々な理由から無業となってしまった若者を他人事だとは思えず、本書を購入。日本は「一度こぼれ落ちると圧倒的不利になるシステム」と著者は看破しているし、そのとおりだと思う。今は正社員として働いているが、もし今の職を辞したら……再就職は年齢的にもかなり厳しいに違いない。若年無業者を救済できる社会制度を早急に構築しなければ、という思いが募る。2019/01/15

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