出版社内容情報
【文学/日本文学評論随筆その他】ツイッター、フェイスブック、LINE……。今やSNSは生活に深く浸透しているが、それに息苦しさを感じている人も多い。ネット上でのつながり、賞賛やその反対にある悪意や炎上。SNSへの違和感の正体と、SNSが変えつつある人間について鋭く迫る。
内容説明
私生活を自慢して、賞賛・承認しあう。その反対の、悪意に満ちたヘイトスピーチ…。SNSは社会と人間をどのように変えるのか?便利さの裏に潜む、新たな問題の核心に気鋭の精神科医が迫る。
目次
序章 ソーシャルメディアへの違和感
1章 「SNS疲れ」という新たなストレス
2章 ネットで人はなぜ傷つけ合うのか
3章 ネトウヨが生まれる理由
4章 SNSとプチ正義感
5章 ネット・スマホ依存という病
6章 SNSは日本人をどう変えるか?
終章 SNSがつくる「1・2の関係」の世界
著者等紹介
香山リカ[カヤマリカ]
1960年、北海道生まれ。精神科医、立教大学現代心理学部映像身体学科教授。東京医科大学卒。臨床経験を生かして、社会批評、文化批評なども手がけ、現代人の“心の病”について洞察を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
サンダーバード@永遠の若者協会・怪鳥
53
SNSの怖い点の一つはその匿名性。相手の顔が見えないから過激な方向に走り始めると収拾がつかない。逆にLINEやFBのように相手が「見えている」SNSでは、既読が付く付かないで一喜一憂したり、自分を良く見せようと気疲れもする。大人になってからネット社会に入った世代はまだ良いが、判断の付かない子供のころから接しているとバランスを崩す人も出てくるのだろう。一方このサイトもその一つであるが、通常の生活では会うことのない人と知り合ったり、情報を入手できるのもSNSの利点の一つ。上手く付き合っていきたいね。★★★2015/01/02
壱萬参仟縁
39
新型うつ病は、本音を隠さなくなった人たちのものかもしれないという(16頁)。SNSの匿名性など、犯罪に繋がる危険性も大きい(2章)。おさえがききにくいSNSユーザーの心理(58頁)。わたしはメイルのやり取りで、学位を取りそこなった経緯があった。ま、取ったら取ったで大変だけど。ネットでは、自分の新しい要素や、潜在要素が浮かび上がるという特徴もあるようだ(78頁)。本音と建前の伝統的な日本の慣習がSNSなどネットで変容し、イエス/ノーをはっきりと言い、どちらの立場かの賛否を表明し、 2014/10/31
as
29
SNSは宗教の依存性と麻薬の中毒性を併せ持つ危険な代物。でも今更無かった事には出来ません。上手に付き合う方法を模索した一冊です。素晴らしい、関心させられっぱなし、文句の付けようのない内容、Very Good、Wonderful(称賛一色にして見ました、これが気持ち悪い)そう言えば最近視力が、2.0から1.5そして1.2と・・・・・低下してきたなぁ。SNSのせいだな、うん。2014/07/26
Prince of Scotch
23
図書館よりお借りし、とりあえず通読する。自身「読書メーター」や「Twitter」などのSNSを楽しんでいる者の一人として、初めて知ることも少なくなかったので、香山リカ氏の言説を非常に興味深く読み進めた。第6章「SNSは日本人をどう変えるか?」のなかで“文章だけでなく、思考もスカスカになってゆく”(P174)にもっとも衝撃を受けた。「そうゆうことなんだぁー‼️」と正直、目からウロコ(驚) 頭のなかをキチンと整理したいので再読し、あらためてコメントを記したい❗2020/08/22
Norico
23
Facebookやツイッター、ブログ、みんなよく書くことあるなぁ、と思っていて。読んでいてなるほど!ということ多数でした。スタンプや画像を送って解釈は相手におまかせ、ではなく、自分の思ってることは、ちゃんと言葉にして伝えていきたいです。2014/12/28