内容説明
TPP推進派は「関税が撤廃されれば、消費が増えて景気が回復する」と言うが、まったくのウソ。むしろデフレは深刻化する。推進派は「安全保障にも有用だ」とも言うが、これもデタラメ。今までの地域経済協定で、軍事的な協力が得られたことはない。過去の例や詳細なデータを基に、推進派の矛盾を徹底的に突く。
目次
序章 あまりに不自然なTPPの登場
第1章 矛盾だらけの「TPP経済学」
第2章 日本の農業が直面する本当の脅威
第3章 FTAからTPPへの謎の反転
第4章 アメリカの狙いは「金融」と「投資」だ
第5章 TPPは安全保障になるという幻想
終章 太平洋もアジアも逃げない
著者等紹介
東谷暁[ヒガシタニサトシ]
1953年、山形県生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、雑誌編集者に。ビジネス誌や論壇誌「発言者」の編集長を歴任し、97年よりフリーのジャーナリストとなる。鋭い洞察を含んだ論文やレポートを数多く発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
10
時事問題の勉強のため。うーん、頷ける部分もあるけれど、もっとフラットな本と、推進派の方の本も併せて読んでみたくなった。2011/11/08
Tanaka
7
けっこう長くかかったけど完読。確かに間違いだらけ。 ただ、中野剛志との共著の本と言ってることが全て一緒だけど・・・。 2013/06/16
壱萬参仟縁
6
最近選挙が近いせいか、TPP交渉賛成の表明を野田総理はしている。そこで、評者も来月の拙講義で再度TPPが与える農村生活への影響を考察する中で必要な情報収集を行っている。第四章「アメリカの狙いは『金融』と『投資』だ」は重要であろう。グローバル化の流れでWTO交渉、FTAやEPAの次に出てきたTPPであるが、日本は既にIT業界で韓国に負け、その韓国もFTAでは悲惨な印象を受ける。郵政民営化の延長にあるTPP。かけがえのない水資源も投資の対象にしたいのなら、水源を抱える中山間地域の水利権は死守しなければならぬ。2012/11/12
pudonsha
4
TPPについて判断する前に、まずは規制産業が存在している理由を知る必要があるように感じた。その産業が不当に保護されているのであれば競争にさらされても致し方ない部分もあるだろう。あと、TPPとデフレには関連があるという話は初耳。2015/04/15
かつ
4
NAFTA締結時にメキシコカナダがアメリカによりどうなったか。説得力ありますね。日本は新興国と仲良くして長期的ビジョンでよい方向にもってくのがベストなんかねえ。外圧依存からの脱却。いい言葉です。2011/10/01