内容説明
日本人はいかにしてセックスレスになったか?!鹿島教授が、原因と解消法を徹底解説!男女の間には深くて暗い川が流れている―この原因は「資本主義の異常発達」にあるという。誰も指摘しなかった「男女問題の盲点」とは?性愛文化に憧れ、渡仏したマダム・ジュリーが挑み、鹿島教授が解く。結婚氷河期や夫婦の倦怠期は、この一冊で乗り越えられる。
目次
序章 セックスレスと資本主義
第1章 セックスレス亡国論(「ホモ・オナニスタ」の誕生;種の保存をめぐる共同体と自我の相克;日本の優れた制度「お見合い」;恋愛至上主義の落とし穴;アメリカニズムの到来―セックス産業の興隆とバブル崩壊)
第2章 セックスレスの歴史
第3章 私たちはどうすればよいのか(面倒くささの克服を;快楽ベクトルが逆の男女をどう活性化させるか?)
著者等紹介
鹿島茂[カシマシゲル]
1949年神奈川県生まれ。東京大学大学院博士課程修了。仏文学者、明治大学教授。専門は19世紀フランス。著書に『馬車が買いたい!』(サントリー学芸賞)、『職業別パリ風俗』(読売文学賞)など
斎藤珠里[サイトウジュリ]
1959年、東京都生まれ。米コロンビア大学大学院ジャーナリズム修士号取得。朝日新聞記者を経て、2006年に渡仏。現在、国連機関ユネスコ広報官(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
空猫
22
『日本人はもうセックス…』からの。面倒くさい×金で解決=資本主義∴一人エッチ、を歴史、文学から検証(?)した本。宗教は共同体の平和の為に非生殖性行為を禁止する。識字率向上と食料難、少子化、革命、の相関。性と経済と恋愛はリンクしているのでそこにも格差が…等。鹿島氏の仮説に基づく対談で、読みやすいのだが、聞き手が力不足なのが難点。内容は、なるほどと頷くことばかりだし、古典文学も映画もこの面から読み解くと興味深い。『「メンドクサイ」が狂気を生む』とDr,春日も言ってたな。しっかり生きないとな( ゚Д゚)ゞ。2020/10/06
さきん
20
そうなんだよねと納得するばかり。渋沢栄一やトッド関連の本を読んで著者のことは気になっていた。自分もまさに該当する世代。めんどくささに流されると男の場合は動画を見る形に終着する。その帰結は人口減少による納税社会、国家の崩壊。そうならないためにもとは思うが、ひと昔のお見合いはもうなく、自分で駆り立てないといけないところが大変。2020/08/30
がんぞ
10
不真面目な題名で内容と必ずしも一致しないが、売春自由化論の「需要は正しい」の論理に反対し、資本主義の“面倒なことを代行する”=商品化を推し進めるとミクロの合理化である“所有よりレンタル”=婚姻の軽薄化、売春横行“体面より自由”=家庭の束縛を逃れようとする傾向→カップルの知的不平等(男女ともに相手を支配するために自分より知的に低い相手を選ぶ傾向)、売春業に有利な税体系、ライフサイクル→セックス離れが社会全体では少子化、愛情喪失→衰退/「快楽不平等の法則」は経験少の俺には納得できないが、SEXの目的が問われる2015/02/05
くろまによん
5
タイトルから受ける印象と中身が釣り合っていないが、なかなか楽しめた一冊。「結婚相手を自由に選べるようにしたことであぶれる人が出てくる」「面倒なことを代行するのが資本主義。そのため、面倒なセックスの代わりにオカズを提供してオナニーするようになった」など、興味深い指摘が多かった。ただ聞き手の斎藤という人は不要。俺が知らないだけなのかも知れないが、この人を出すことで売れ行きを左右するほどの効果があるのかね。鹿島先生の話だけでいい気がする。2015/04/14
inokori
4
「人間のオッパイというのは,赤ちゃんのためのものではなくて,あくまでお父さんのためのものなんです」(p.41)って,噴いたぞ!これじゃ,可朝の「お父ちゃんのもんとちがうのんやで〜」と全面対決じゃねぇか!!!ほぼ,鹿島先生の蘊蓄によりかかった与太話に近いけど,日本的資本主義のせいでめんどくさがりばっかり増えて…とのお嘆きには,反省することしきり.2009/07/26