朝日新書
松本清張を推理する

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  • サイズ 新書判/ページ数 234p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784022732699
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0295

出版社内容情報

実作者同士だからわかる清張小説創作の秘密。『点と線』『砂の器』『或る「小倉日記」伝』『張込み』・・・。あのトリック、名タイトル、珠玉の書き出しはどう生まれたのか?
松本清張を敬愛してやまない著者が、実作者の視点で巨匠の創作の秘密に迫る文学エッセイ。数々の名作のアイデアは、どこから生まれたのか? 「完全犯罪の90%理論」など、はからずも著者の小説作法も明らかになる。「松本清張生誕100年」記念企画。

内容説明

動機重視の革新性、卓抜なタイトル、導入部の巧妙さ―。松本清張文学は、そんなふうに高く評価される。―しかし、それだけではない。世代を超えて読み継がれる数々の名作には、まだまだ多くの「謎」が詰まっている!熱烈なファンを自認する筆者が実作者の視点で、文豪の小説作法の秘密を推理する。

目次

第1章 デビュー作のすべて―『或る「小倉日記」伝』について
第2章 覗き見志向から―『張込み』の原点
第3章 温故知新の第一作―『点と線』あれこれ
第4章 短編連作集への道―『無宿人別帳』の光と影
第5章 動機の重要性―『ゼロの焦点』のポイント
第6章 多彩で名作ぞろい―『黒い画集』の分析
第7章 知的な蛮勇―『日本の黒い霧』雑感
第8章 小説と映画のちがい―新聞小説としての『砂の器』
第9章 糸でつないで―『絢爛たる流離』の意図
第10章 邪馬台国はどこだ―知識が深い『陸行水行』
第11章 新しいアイデアを求めて―『隠花の飾り』はなぜ三十枚か

著者等紹介

阿刀田高[アトウダタカシ]
1935年東京都生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒。国立国会図書館勤務のかたわら執筆活動を続け、78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。79年、短編集『ナポレオン狂』で直木賞受賞。受賞歴はほかに日本推理作家協会賞、吉川英治文学賞など。2007年、日本ペンクラブ会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

98
阿刀田さんは宮部さんと同じようにかなり松本清張を読み込んでおられます。松本清張小説セレクション(全36巻)の解説をすべて行って文庫本にまとめておられたと思います。最後に作品名が書かれていますが27作品について、清張が小説にするまでの経緯や作法について述べられていて参考になります。新聞小説であった砂の器などについてはかなり大変であったことを述べられています。私もすぐ映画を思い出してしまうのですが、かなり内容は異なっています。2015/09/22

i-miya

29
2010.06.29 (プロローグ)幽霊の 正体見たり 枯尾松。第1章 『或る「小倉日記」伝』。田上耕作。K.M(木下杢太郎)。 M32-M35 軍医部長として小倉赴任。その間の日記。山田てる子。決して甘くはないが、温かい障害者への目配り。母親のビヘイビア。第2章『張込み』。逃亡するもう一つの石井久一。2010/06/29

犬こ

25
ゼロの焦点、点と線の有名どころから、デビュー作や連作短編など、なぜ清張はこの小説を書いたのか?背景や社会風潮も交えながら、阿刀田さんが、推理、解説。真実は、本人のぞ知るですが、このような本を作家に書かせる原動力を与える清張は今だスゴイ。2016/11/05

とろとろ

24
「沈澱現象」というのが面白い発想。本を愛する人ならば、それは作家に限らず誰もが体験している現象である。即ち「読んだ記憶の底に滓(おり)のように淀んでいるものが、かき混ぜると、またあらたに広がる。」ということであり、例えようもなく見事に言い当てた表現だと思った。沢山ある清張作品の中から、ネタ話を繋ぐちょうど良い作品が次々と浮かんでくるのは、さすがプロ作家の沈澱現象のなせる技なのであろう。2015/12/15

jima

21
先月亡くなった兄の書棚からもらってきた本。松本清張は父が好きで、中学生の頃から父の読んだ本を借りて読んだ懐かしい記憶。「黒い画集」や「ゼロの焦点」などを読み直してみたくなった。2021/05/05

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