感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おかむー
57
“貴族”と“D”という存在を鮮烈に描いた一作目から、今作では伝奇アクションをベースにしながらも滅びへと向かう悲哀が主題。『たいへんよくできました』。辺境の村が厳しい冬から春へと向かう描写と、次第に明かされる“彼ら”の滅びへ向かう宿命の対比が物悲しい。まだ二作目なのでヒロイン・リナに翻弄されペースを乱されるといった人間味のあるDが感慨深い(笑)。どちらかといえば地味な結末に見えて、悲しみを経て光射すエピローグで一気に持っていかれる描写が見事。著者の最近の作品ではここまでの繊細さはなくなっちゃったからなぁ。2015/08/16
お腹ボン!
12
今回は雪景色の中のD、西部劇の様な雰囲気から一変、学校にお邪魔したり、女子高生と絡んだり、思いっきり人間部分が現れて少し暖かみのあるDでした。話の内容も最後の最後まで敵の正体が解らず、1作目とは全く違う雰囲気で面白かった。中世ヨーロッパに未来科学を併せ西部劇風のイメージだけでも想像を膨らませるのが大変なのに、幻影や仮想空間まで出現し、妖魔と戦うシーンやら武器やらはもう想像が全く追いつかなくて頭がパニックになった。でも、Dの生い立ちらしきものが解ったので、この先読み易くなったかも。2015/07/23
oz
6
前作よりプロットが深化している。「吸血鬼の犠牲者がなぜ太陽の下を歩けるのか」「十年前に消えた四人の子供に何が起きたのか」という謎を軸に、前作の怪奇活劇からゴシックSFミステリ要素を加えて物語を牽引する。「貴族」の設定も深掘りされ、滅びゆく貴族が宿命を克服しようとした歴史と、四人の人生が重なり合う構成は見事。今作では人間側の醜悪さを意識的に描き、貴族=悪、人間=善の前提を崩す。意図はわかるがそれを「成人から子供への性暴力」として過剰に表象する点にはかなり引っかかる。それでも、最後にDが微笑む結末は美しい。2026/10/03
arianrhod
5
面白いです。夢中で読みました。完全に出来上がった世界観で息づく全てのものの理由を探し、次を空想す妄想する大きな楽しみがあります。孤高で美しすぎるこの青年Dにまつわる全てを知りたくなる魔法がかかっていますね。もっと早く読めばよかったです。2014/12/21
きな粉
4
"D"2作目。超未来SF中世な時代設定にもすっかり慣れて、とても楽しめました。前作よりも、醜悪で哀しくて清々しくて、面白かったです。ラストは目頭がジーンときました。2015/03/02




