出版社内容情報
訪問看護師2年目、27歳の桃井由乃は、利用者さんのお宅にいくつかの穴があるのを見つけた――「家の怪異」だ。人の心が「怪異」として家に現れて見える桃井は、外見からは分かりづらい利用者さんの異変に気づき……。元看護師の著者による、元気になれる看護師ミステリー!
【目次】
内容説明
訪問看護師2年目・27歳の桃井由乃は、利用者さんのお宅にいくつかの穴があるのを見つける―「家の怪異」だ。人の心が家に現れて怪異として見える桃井は、外見からは分かりづらい利用者さんの異変に気づき…。元看護師の著者による、元気をくれる看護師ミステリー!
著者等紹介
秋谷りんこ[アキヤリンコ]
1980年神奈川県生まれ。横浜市立大学看護短期大学部(現・医学部看護学科)卒業後、看護師として10年以上病棟勤務。2023年、「ナースの卯月に視えるもの」がnote主催の「創作大賞2023」で「別冊文藝春秋賞」を受賞し、24年、同作でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
おしゃべりメガネ
102
作者さんご自身が看護師だったコトもあり、医療関連の描写はなかなかリアルに感じます。『ナースの卯月~』シリーズでみせるファンタジーテイストな部分もベースにしながら、しっかりとヒューマンな仕上がりにしてるのはさすがですね。本作の主人公は'訪問看護師'2年目の「桃井」さんです。訪れた患者さん宅で不思議なモノが見え隠れしてしまう不思議な能力があります。患者さんがひっそりと抱える不安を彼女ならではの方法で解決へと導き、読む側をほっこり安心させてくれます。本作を読むと改めて健康の大切さがよくわかるステキな作品ですね。2025/09/08
りらこ
26
家の怪異が視えるナース桃井さん。訪問看護師。だから、訪問した先の家で「何かの異変」に気づく。その異変はかならず、家に住む家族たちの心の行き違いや、不安などが引き起こしている。外から見た家族の姿は、きっと家の中の家族の姿とは違う。家族同士でも見せていない本心を抱えて過ごしているということもある。自分が介護される側になることを、想定したことがあまりなかったけれど、この本はされる側の気もち、する側の気もちなどを丁寧に描き出し、ほころびとその解決を示してくれる。また桃井さん自身の家族問題も。そうだよねと納得。2025/09/15
akiᵕ̈
24
ナースの卯月シリーズとまた少し違ったテイストではあるけど、訪問看護の桃井由乃には関わる人や家の怪異が視えてしまうという特殊能力がある。介護される側、する側それぞれに抱える不満や言いたくても相手に悪いと思い言えずにいる事がある。そんな心の内を桃井が視えてしまうものから読み解き、ほぐしていく。桃井自身も子供の頃より両親との折り合いが悪く苦しんできている。それを織り交ぜながら、看護師という立場から、それぞれの家庭にあったやり方で介護される側、する側の一人一人に尊厳がある事の大切さを教えてくれる。2025/09/14
onasu
20
訪問看護師の桃井由乃(27歳)には、利用者宅を訪ねると、黒い穴が視えたり、歪んで視えたりと「家の怪異」が視えることがある。それは由乃特有の異才で、利用者だったり、家族だったりに鬱積のある証であって、当然仕事上の懸案にもなるので、解消するよう解きほぐしていく。 話としては今を写す題材で、問題及び解消法も現実的なんだけど、その分おもしろ味には欠けるとも…。 でも後半になると、介護は家族がいても他者に任せてもいいということを由乃が身をもって実践していく展開になり、このメッセージ性は有用に思えました。2025/10/08
アリスとアニー
13
訪問看護師の桃井が主人公のお仕事小説。患者さんが抱えている不安や悩みが『家の怪異』として視える桃井が患者さんのために奮闘したり、そっと寄り添ったりする物語で既刊のナースの卯月シリーズに通ずるものがあります。あとがきでは著者であり、元看護師でもある秋谷さんがテーマを訪問看護にした理由について触れられています。そこには介護において家族が全てを抱え込む必要はなく、任せられるところは他人に頼っても良いんだよという想いが込められていると感じました。次回作ありそうなので楽しみです。2025/10/08
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