出版社内容情報
新人女性警官の宮武エミが未解決の一家惨殺事件に挑む! 二転三転する容疑者、背後で暗躍する指定暴力団、巧妙に張り巡らされた伏線――。ラストに待ち受ける驚愕の真犯人とは!? 警察小説の新たな傑作誕生!!《解説・千街晶之》
【目次】
内容説明
新人女警の宮武エミは、11年前、親友が巻き込まれた一家惨殺事件の唯一の目撃者だった。東京・八王子警察署の交番勤務となったエミは、爆弾だと騒ぎになった「蚕」を見てかつての事件の記憶が蘇り…。エミの捜査で迷宮入りだった事件が動き出す!
著者等紹介
吉川英梨[ヨシカワエリ]
1977年埼玉県生まれ。小説家。大学卒業後、出版社勤務を経て、2008年『私の結婚に関する予言38』で第3回日本ラブストーリー大賞エンタテインメント特別賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タイ子
79
警察ものが多い吉川さんの今回は八王子署交番勤務の新人女性警察官の話。11年前に悲惨な殺人事件の目撃者となった過去を持つ宮武エミ巡査。それが理由で警察官になった。捜査は縮小されたものの、事件への執念を燃やす刑事たちがいる中でエミも協力していくが、彼女の犯人への記憶がなかなか取り上げてもらえない。だが、少しづつ動き始める事件の様相。このあたりからあえて吉川劇場と呼ばせていただこう。エミの恋心に火をつけた男の正体とか、悲惨な事件の描写、ラストのエミの処遇、あらゆる場面が劇場型。賛否の分かれそうな作品。2025/08/04
akiᵕ̈
28
警察小説アンソロジー「警官の標」の中で警察学校生だった宮武エミが卒業し、八王子警察署の交番勤務となり、過去に友達が巻き込まれた凄惨な事件の目撃者となっていた未解決の事件を追っていく今作。八王子が舞台となっていて、八王子に纏わる話も色んな角度から楽しめるが、事件はあまりにも凄惨で、そこに絡む暴力団、現場で犯人の仲間から助けられているエミの記憶と現状との狭間に揺れ動く心、友達の怪しい行動など、散りばめられた伏線がどう結びついていくのか、ページを捲る手が止まらない。今後も成長していくエミの姿が見れそうな予感。2025/07/09
きあら
18
親友が巻き込まれた惨殺事件の目撃者だったエミは、事件を解決したくて警察官になった。そして事件のあった八王子警察署に配属された。事件をベースに置きながら、小さな事件が続いていくけど、これがちょっと冗長。吉川作品の共感できない主人公が出てきているように感じる。八王子のあるあるは楽しめた作品。エミの警察学校時代は、アンソロジーで。2025/08/15
TAKA
16
吉川さんの描くこの手の展開は苦手だ。海蝶もそうだけど都合良く進み過ぎのように感じる。仲間であったはずの姉の様な存在だった彼女の行動の全てが理解不能だし、何より新人女警の恋愛感情が要らない。2025/07/20
ぴ〜る
12
うーん…。出だしはどんな結末になっていくのか凄く楽しみだったのだけれど読み進めていくにつれてエミは警官には向いていないんじゃないかという思いが大きくなってしまった。全体的にちぐはぐしてしまっていた感が拭えない。2025/07/27