出版社内容情報
わずか三百石の身分から老中まで上り詰めた田沼意次。危機的な幕府財政を立て直すために、商業中心の経済政策への大転換に着手する。立ちはだかるのは譜代大名・御三卿など保守派勢力、そして松平定信だった。通説を覆す痛快な長篇歴史小説。《解説・細谷正充》
内容説明
わずか三百石の身分から老中まで上り詰めた田沼意次。危機的な幕府財政を立て直すために、商業中心の経済政策への大転換に着手する。だが譜代大名・御三卿など保守派勢力、そして松平定信が立ちはだかった。通説を覆す痛快な長篇歴史小説。
著者等紹介
平岩弓枝[ヒライワユミエ]
1932年東京生まれ。作家。日本女子大学国文科卒業。59年『鏨師』で直木賞、79年NHK放送文化賞、87年菊田一夫演劇大賞、91年『花影の花』で吉川英治文学賞、98年菊池寛賞、2008年『西遊記』で毎日芸術賞を受賞。16年に文化勲章を受章。23年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kawa
29
初・平岩作品。江戸中期の幕府実力者の田沼意次を主人公に、大胆なフィクションを交えた時代小説。史実に即した歴史小説が好みなので、ミステリー・タッチの導入部に「あれぇ」の感もあったのだけれど、長尺600頁超えをものともせずに一気読了。悪役・田沼のイメージが先行なのだけれど、山周先生の最近読了の「栄花物語」と合わせて、善玉優秀官僚としての田沼イメージが定着しそう。2025/11/09
駄目男
14
平岩弓枝さんの名は以前から知ってはいたが作品を読むのは初めて。しかし本書のお陰で、中学のころに習った賄賂政治の悪だくみのようなような政治家のイメージが一変して、実に興味ある人物として俄然、田沼に関する他の小説も読みたくなってきた。本書によれば実に清廉潔白な政治家ではなかろうか。事実、近年では田沼意次に対する再評価が高まっているらしい。八代将軍吉宗は生来虚弱の上、障害により言語が不明瞭であった嫡男の家重ではなく次男に将軍職を与えようとしていたが、長幼の序を守るというけじめのため、九代将軍は家重となる。2025/11/16
suma2021
2
大河ドラマを観て田沼意次の生涯に興味を持ち手にとる。敏腕政治家というよりは良心と誠実さに溢れた人物として描かれている。幼なじみ2人が寄り添いながら物語は進んでいきます。大事業は成り上がりの一代では完成せずと考えていた意次ですが嫡男の死を消化できず一生を終えたと思うと不憫に思える2025/09/15




