出版社内容情報
父は、どんな父親になりたかったのだろうか? 父の知人たちから拾い集めた記憶と、自身の内から甦る記憶──。父の足跡を巡る旅は、自分自身のこれまでの、そして、これからの人生と向きあう旅でもあった。やがて、洋一郎は、ある決断を下す。
内容説明
父は、どんな父親になりたかったのだろうか?私に会いたいと思っていたのか。父の知人たちから拾い集めた記憶と、自身の内から甦る記憶。その足跡を巡る旅は、自分自身のこれまでの、そして、これからの人生と向きあう旅でもあった。やがて洋一郎は、ある決断を下す。
著者等紹介
重松清[シゲマツキヨシ]
1963年岡山県生まれ。早稲田大学教育学部卒業。出版社勤務を経て執筆活動に入る。91年『ビフォア・ラン』でデビュー。99年『ナイフ』で坪田譲治文学賞、『エイジ』で山本周五郎賞、2001年『ビタミンF』で直木賞、10年『十字架』で吉川英治文学賞、14年『ゼツメツ少年』で毎日出版文化賞を受賞。小説のほか、エッセイやルポルタージュも多く手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tamami
56
文庫カバーに記されている著者略歴を見て、そうか岡山県出身なんだと妙に納得する。岡山県出身で55歳の著者と同世代の「私」が創り出していく一つの物語。その中で描き出されるさらに幾つかの物語。幾重にも重なった物語の中で殆ど幻にも近い父親の姿を追い求めていく私の行動が、父親の人生に関わった人々の心を開いていく。素敵な物語を読ませてもらったというのが読み終わっての感想。後半私の関わる施設に入所している後藤老人と出世した息子の話が出てくる。やや作り話めいているけれども、そこが一番じんわりとくる。物語の面白さだと思う。2023/04/13
ピース
34
父親の死をきっかけに出会った人達が素晴らしすぎる。こんな人達とだったら今後もずっと関係を切らさずに繋がっていたい。ハーヴェスト多摩のトラブルメーカーだった後藤さんも最後には息子と和解できてよかった。2023/04/28
ごいんきょ
27
息子になれていない自分。 父の死を通して息子になれる。 重松さんらしいなあ。 自分にもその思いよくわかります。2023/09/08
ウッチー
14
「ひこばえ」。なるほどねぇ。後半にやたらとひこばえ感が感じられた気がする。主人公は55才にして、父親の友達の神田さんから、ずっと変わらず「息子」と呼ばれ続けていた。もしかしたらこの呼ばれ方が続いたことも、本当の息子が取り戻せた一因となったのかも! 自分と息子の事を考えさせられました。2023/12/19
jima
13
老いることについて深く考えさせられた。2024/03/12