出版社内容情報
かつてボクシング世界チャンプを目指し挫折した広岡は、40年ぶりに米国から日本へ戻る。ジムの古い仲間たちと再会し、やがて共同生活をすることになる。そこで出会ったものとは……。どう生きて、どう死ぬのか。人生の豊かさを問いかける傑作小説。
内容説明
かつてボクシング世界チャンプを目指し挫折した広岡は、40年ぶりにアメリカから帰国する。同じ時をジムで過ごした仲間たちと再会し、やがて4人で共同生活を送ることになる。彼らは自分にとって何が大事なのか見つめ直し始め…。人生の豊かさを深く問いかける傑作小説。
著者等紹介
沢木耕太郎[サワキコウタロウ]
1947年東京生まれ。作家。79年『テロルの決算』で大宅壮一ノンフィクション賞、82年『一瞬の夏』で新田次郎文学賞、85年『バーボン・ストリート』で講談社エッセイ賞、93年『深夜特急』三部作でJTB紀行文学賞、2006年『凍』で講談社ノンフィクション賞、14年『キャパの十字架』で司馬遼太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
115
私の好きな俳優の佐藤浩市さんが出ている映画が公開されたので、読んでみました。沢木さんのスポーツものはあまり読んでいないのですが新聞連載ものということもありさらっと読むことができました。世界チャンピオンを目指していたものの挫折はしたものの、ロスでホテルを経営する主人公が、日本に40年ぶりで戻ってきます。40年前に同じジムで切磋琢磨していたほかの3人の仲間の現在が説明され、それぞれ問題を抱えていたものの同じ家でシェアハウス形態で生活することになります。最後に若いボクシングをやっていた人物と知り合います。2023/09/07
ふじさん
104
真挙ジムで、ボクシングの世界チャンピオンを目指して切磋琢磨していた四天王が、広岡のアメリカからの帰国をきっかけに40年ぶりに再会する。刑務所に入った藤原、周りとの付き合い絶ち一人で生きてきた佐瀬、大切な人を亡くし意気消沈している星、心臓の発作の爆弾を抱えながら生きる広岡。再開するまでのそれぞれの人生が淡々と語られる。やがて共同生活を始めることになり、自分にとっては何が大切なのか見つめ直すことになる。人生の終わり方を考える年代になった自分にとっては、語れる一つひとつの事柄に心が揺すられる思いがする。2023/10/18
ふう
99
2015年、新聞に連載されていたのを毎朝楽しみに読んでいました。初めて出会った沢木氏の作品で、静かな語り口や人物像に惹かれ、以来好きな作家になりました。もう一度あの世界に浸りたいと再読。タイトルの意味するものも結末もわかっているけど、主人公広岡の考え方や言葉をゆっくりかみしめながら読んでいきます。2020/03/16
じいじ
83
沢木耕太郎の10作目、2021年度の「面白かった本」ランキングの1位だった、ヒマラヤ登頂に挑んだ登山家夫婦の物語『凍』とは、甲乙つけがたい面白さです。その昔、世界チャンピオンを目指した同門のボクサー4人がいました。その中の一人が主人公・広岡、40年ぶりにアメリカから帰国するところから幕が開きます。広岡が探し訪ねた3人の仲間は無残な現状でした。広岡を軸に彼らの第二の人生が、下巻で語られます。一気に呼吸を整えて突入します。2023/09/07
ちゃとら
52
【図書館本】映画化される事を知り読んでみました。久しぶりの沢木耕太郎さん。広岡のアメリカ生活は、かすかに深夜特急の雰囲気を思い出す。同じジムの合宿所で若き日を過ごした元ボクサー4人。それぞれの訳あり生活から、40年ぶりに又共同生活をはじめる。4人が集まってからはワクワクする楽しさで、もう1人の若い主人公と出会い下巻に続く。2023/04/23
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