出版社内容情報
武田攻めから1カ月。破竹の勢いを見せる織田信長は、天下を取った後のことに思いを馳せる。一方、部下として戦い続ける明智光秀は、自分の本当の敵について考え始めていた。本能寺の変に至るまでを、両雄二人の独白形式で描く歴史巨編。
内容説明
「信長様の酷薄、それほどであったか」四国を牛耳る長曾我部元親討伐の先手を待ち望む光秀だが、信長から下されたのは秀吉の後詰めに加え、丹波と坂本の領地替えだった。屈辱に震える中、信長が滞在する本能寺の守備が手薄だと知ったことで、揺らぐ気持ちは決意に変わる!
著者等紹介
堺屋太一[サカイヤタイチ]
1935年大阪府生まれ。東京大学経済学部卒業後、通商産業省入省。経済企画庁長官や内閣官房参与などを歴任。日本万国博覧会や沖縄国際海洋博覧会を企画し、実現した。75年、『油断!』でデビュー。2019年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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金吾
25
◎面白かったです。常識人と視点が違い過ぎる天才の捉え方の違いが上手く対比されています。信長は遠くから見ると魅力的ですが、近くにいたらかなりきついと感じました。2022/04/08
Mark X Japan
5
すれ違う2人の考えは、軌道修正することなく結末へ。著者の作品の中では、数少ない感情移入出来ない淡泊な作品でした。それぞれの独白という淡々とした構成が原因でしょうか。☆:3.02020/04/20
ちょび♪
4
常識的で他人との関係を大事にし、まじめな光秀はトップに立てず、支持も得られず。常識破りで他人との関係より自分の考えを優先し、ユーモアのある信長のほうがトップに立ち、人望が厚い。不思議なパラドックスが味わえた。2022/01/23
micky
3
コロナの影響で読み終えるのに時間がかかった・・ 下巻も上巻と同じく面白く読み進められる。あまり語られない、本能寺の変後の光秀も新鮮。最近よく聞く他者陰謀説は本編では一切出ず。 信長、光秀本人にこれを読ませたい・・2020/06/02
モビエイト
3
信長と光秀は最期まで解り合えなかったのだと思いました。最後はまさに心が折れ明日は我が身といった心境になったのだと思います。発作的な判断とたまたま信長の周りが手薄だったという偶然が重なったと思います。もし本能寺の変が無かったとしても日本統一後に光秀は追放されていたかもしれないので…2019/12/20
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