出版社内容情報
片岡義男には、珈琲がよく似合う。息子を連れに地元にひとり戻ってきた幼なじみと「結婚」をしないまま、新しい「家族」のかたちを探っていく表題作ほか、小説的企てにみちた「珈琲」をめぐる五つの物語。珈琲にまつわる書き下ろしエッセイも収録。
内容説明
離婚ののち息子を連れて地元に戻ってきた幼なじみの女性と、「結婚」をしないまま新しい「家族」のかたちを探っていく表題作のほか、小説的企みに満ちた「珈琲」をめぐる五つの物語。珈琲にまつわる書き下ろしの自伝的エッセイ「珈琲に呼ばれる人」も収録。
著者等紹介
片岡義男[カタオカヨシオ]
1939年東京都生まれ。作家、写真家、翻訳家。74年に『白い波の荒野へ』で作家デビュー。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
63
いつも珈琲が隣にある連作短編集。「コーヒー」でも「コーフィ」でもなく「珈琲」なのが良い。地に足が付いた、大人に向けた作品。2019/04/10
Shoji
33
五つの短編小説とエッセイを一話収録しています。小説の方は、ラスト数行のために、回りくどい物語に付き合わされる感じだ。総じてカッコいいお話ではあるとは思うが、うまくストーリーに乗れず、ややもすれば私は一体何を読まされているのだろう、そんな感覚に陥りかけた。今回、片岡義男的世界にうまくのめり込むことが出来なかった。読了後、本当に片岡義男の本なのだろうかと奥付を見た。片岡義男だった。シジイになって感性が鈍ってきたようだ。御免。2025/01/14
むつこ
30
何を勘違いしたのかエッセイ集と思って購入し、連作短編小説集なのに著者がホントは主人公なのではと「違うのに!」何度も何度も己のバカさ加減にあきれながら読了。初読した「メインテーマ」で感じたあり得そうでなかなかいないスカした登場人物たちの爽やかさが健在(そこが合わなかったのだろうな)、コーヒーとの表現ではなく珈琲としたところで気がつかないとな。(でも、和菓子とコーヒーは合うと思います)2019/09/03
pirokichi
28
昼食後出かけた本屋で美味しそうなタイトルと珈琲の香りがしそうなカバーに惹かれて。コーヒーでなく(ここが大切?)、珈琲をめぐる5つの短編とエッセイ1編。冒頭で「豆大福とは何か」を説明する表題作が最もよかった。ペペロンチーノとトマトのスープの夕食の後、豆大福を菓子皿に置き、ナイフで切ってはデザート・フォークで食べる男。都会的なようなおしゃれなような滑稽なような…全編にそんな雰囲気が漂っている。そうそう『この珈琲は小説になるか』の胡瓜のサンドイッチ、美味しそうだった。2022/09/18
ココロココ
20
コーヒーではない珈琲が出てくる5つの短編集プラス1編のエッセイ。片岡義男の作品は初めて読んだように思う。物語が淡々と進むので、少し読みにくく感じた。小説よりもエッセイの方が面白いのではないか。餅とあんこが苦手な為、豆大福や鯛焼きには魅かれなかったが、胡瓜のサンドイッチは無性に食べたくなった。エッセイは、いくつか読んでみたい。2019/04/10