出版社内容情報
「老い」と「死」について語りながら、美しく生きることを説く、法話・講演のベストセレクション。出家の理由、これまで見送った人々、尼僧としての生き方などなど、90年以上生きてきたことによる経験と知恵がたっぷりつまった一冊。《解説・井上荒野》
内容説明
誰にも逃れることのできない老いと死。せめてできるかぎり、美しく老い、美しく死のうではありませんか!90歳をこえてなお、明るく、前を向き、胸を張って生きる寂聴尼による、聞くだけで気が休まる、心がすっと軽くなる法話・講演傑作選。
目次
第1章 老いと向き合う
第2章 祈りの力
第3章 老いのかたち
第4章 世情に抗する
著者等紹介
瀬戸内寂聴[セトウチジャクチョウ]
1922年、徳島市生まれ。作家、僧侶。57年、『女子大生・曲愛玲』でデビュー。『花芯』『夏の終り』など著書多数。61年、『田村俊子』で田村俊子賞、63年、『夏の終り』で女流文学賞、96年、『白道』で芸術選奨文部大臣賞などを受賞。73年、中尊寺で得度。74年、京都・嵯峨野に寂庵を開く。87年、天台寺住職に就任。97年、文化功労者。06年、文化勲章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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takaya
14
今から10数年前、寂聴さんが80代にした講演、法話等をもとにしたエッセイです。仏教的な視点から生や死について語っています。感嘆するのは、80代でもこれだけエネルギッシュな生き方をしていたということ。こんな生き方はできなくても、少しは目標としたいです。 2021/02/05
るい
6
私もまた、老いることも死も受け入れられず、ただただ恐怖を感じている人間である。しかし、寂聴さんの話を読んでいて、次第に心が穏やかになっていく気がした。今、したいことをして、精一杯生きる。死に際に後悔しないよう、日々を大切に生きたいと思った。2016/06/19
文殊堂
2
「老い」と「死」に関する話題の傑作選。誰にも逃れることができないのならば、せめてできるかぎり、美しく老い、美しく死のうではありませんか?人はなぜ生きているか。幸せとは何か。それは決して自分だけの幸福を追い求めるためではない。自分の周囲にいる、一人でも多くの人を幸せにすること、そのために努め励むことこそが、人間がこの世に生まれてきた理由であり、目的である。自分の存在が誰かの役に立っているということを感じるのは何と幸せなことでしょう。今の人々は自分の欲望にしか関心が向かなくなっている。耳がいたい言葉だ。2021/12/28