朝日文庫
本の魔法

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  • サイズ 文庫判/ページ数 318p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022647320
  • NDC分類 022.57
  • Cコード C0195

出版社内容情報

【文学/随筆】古井由吉『杳子・妻隠』、島尾敏雄『死の棘』、中上健次『岬』など、戦後を代表する文学作品の装画・装丁を手掛けた司修が、愛惜してやまない15冊の本についてつづる、「本の魔法にかかって、びりびりと感じたものの記録」。第38回大佛次郎賞受賞作。解説・堀江敏幸。

内容説明

古井由吉、武田泰淳、中上健次ら、戦後を代表する文学者の装幀を手がけてきた司修が愛惜してやまない15冊の本。作品の奥にある獰猛なまでの欲望と底知れぬ優しさを、作家に寄り添いながら温かな眼差しで見つめてきた氏が語る、書物の舞台裏の物語。

目次

藍―『杳子・妻隠』古井由吉
朱―『富士』武田泰淳
闇―『埴谷雄高全集』『埴谷雄高ドストエフスキイ全論集』埴谷雄高
鉛―『硝子障子のシルエット葉篇小説集』『死の棘』島尾敏雄
墨―『岬』中上健次
肌―『なつかしい本の話』江藤淳
緑―『癩王のテラス』三島由紀夫
銀―『月山』森敦
白―『白夜を旅する人々』三浦哲郎
土―『修羅の渚―宮沢賢治拾遺』真壁仁
空―『明恵 夢を生きる』河合隼雄
灰―『私のアンネ=フランク』松谷みよ子
紅―『河原にできた中世の町―へんれきする人びとの集まるところ』網野善彦+司修
雪―『比良の満月』『寺泊』水上勉
青―『小川国夫作品集』『弱い神』小川国夫

著者等紹介

司修[ツカサオサム]
1936年群馬県生まれ。画家、装幀家、作家。新制中学を卒業後、映画館の看板描きの仕事をしながら独学で絵を学び、59年、自由美術展に入選。64年『孤独な噴水』(吉村昭著)の装幀を担当し、以後、数多くの挿絵や装幀の仕事を手掛ける。76年『金子光晴全集』で講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。絵本の分野でも実力を発揮し、78年『はなのゆびわ』で小学館児童文化賞受賞。93年「犬」で川端康成文学賞、2007年『ブロンズの地中海』で毎日出版芸術賞、11年本書で大佛次郎賞受賞など、作家としても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

koala-n

1
本の装丁家として知られた著者による、自身の装丁した本と作者たちとの交わりを回想した作品。エッセイ・小説・回想録……どのジャンルにも分けることのできな不思議な文章で、上手く印象をつかみがたいスタイルの作品。それでいて、俎上に上げられる作品の本質を確かにつかんでいるように思う。例えれば、ひどく茫洋とした霧の中から突然ハッとするほど鮮烈な姿が視界に飛び込んできてびっくりするというか。これにはこの本で取り上げられている著者たちが皆故人であるということも大きい。明示はされてないが、鎮魂の書でもあるのだろうか。2014/02/28

かすり

0
文庫化で再読。カラーページがないのが残念。本は作家だけの力でできるのではなく、装丁家や編集者や、それだけでもなくて彼らが出会った人々、体験、風景を通して完成するものなのだと感じた。そして、いい本を読むと、自分語りがしたくなる。こうして読書系SNSで感想を簡単に共有できるようになったけれども、読書体験とは極めると個人的なものになっていくのかなと思った。一冊の本は世界への入り口のドアで、ということは乱読気味の私は次々とドアを開けているだけか。その奥の世界にも目を向ける豊かな読書をしたくなった。2014/05/26

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