朝日文庫
六月の夜と昼のあわいに

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  • サイズ 文庫判/ページ数 213p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784022646774
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

 ミステリー、SF、ファンタジー、私小説、ルポルタージュ……小説のあらゆる形式を堪能できる、試みに満ちた恩田ワールドの新境地。フランス文学者・杉本秀太郎氏による詩・俳句・短歌と、希代の新鋭画家の作品に導かれるように紡がれる10編の小説。

内容説明

詩、俳句、短歌からなる序詞に秘められた謎と、10の絵画のイメージに誘われて、次々と立ち上がっていく摩訶不思議な作品世界。ミステリー、SF、ファンタジー、私小説、ルポルタージュ…多様な形式によって紡がれた、小説の魅力を味わい尽くす傑作短編集。

著者等紹介

恩田陸[オンダリク]
1964年宮城県生まれ。作家。92年『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞と本屋大賞、06年『ユージニア』で日本推理作家協会賞、07年『中庭の出来事』で山本周五郎賞を受賞

杉本秀太郎[スギモトヒデタロウ]
1931年京都府生まれ。フランス文学者、国際日本文化研究センター名誉教授、日本芸術院会員。88年『徒然草』で読売文学賞、96年『平家物語』で大佛次郎賞を受賞。絵画、音楽、日本の古典作品をはじめ、関心は専門のフランス文学に止まらず活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

けい

69
絵画と句と短編小説を合わせ一つの世界観を形作っていく短編集。エッセイの様に、SFの様に、ファンタジーの様に世界を切り替えて綴られて行く物語の中で、思考の振られにより幻想的な感覚に吸い込まれて行きます。各章を仕切る絵画と句が次章の世界を予感させると伴に、先の章とのつなぎとして、不思議な統一感を感じさせる作品。久々の恩田ワールド全開の作品でした。2014/07/20

眠る山猫屋

53
なんとも感想の書き難い作品集だ。奇想というか発想の転換というべきか。イージー・リスニングの精霊とオグネ(田圃の中に残された小さな森)に心の平安を見いだす女性。唐草模様に甦る優しかった父の恐ろしい秘密。妖魔を見に行くここではない世界の田舎の風景。世界を救ったであろう少女のスラプスティックな運命。どれも小さく完成された小品。微かに残酷、でもそれもまた、運命。2024/05/23

Hideto-S@仮想書店 月舟書房

51
東京も梅雨入り宣言。この時期に読むのが相応しいと思い手に取ってみました。タイトルは伊東静雄氏の詩「水中花」の一節から採られたそうです。作者は序文で「人が作ったものの力を借りて何かを生み出そうと悪戦苦闘した」と書いています。杉本秀太郎氏の俳句から着想を得た物語に、新進アーティストのドローイング作品を組み合わせて一つの世界を創出するという試みが結実したのが本書。10篇の短篇小説はファンタジー、ブラックユーモア、ホラー、私小説風と多彩。詩や絵画など他の表現形式を従えてしまうストーリーテリングは際立っています。2014/06/06

ピース

29
ちょっと不思議な感じがする短編集だった。中でも印象的だったのが「Y字路の事件」「窯変・田久保順子」特に「田久保~」は実際にもこのようなことは起こってそう。しかしそれは誰にも決して知られることはないんだけどね。2024/11/29

Small World

28
立て続けに恩田陸さんの短編集を読了です。ただ、収められてる作品は小作品というよりも、言葉のスケッチに近いですね。「Y字路~」とか、「窯変~」とか面白かったですが、何よりも「恋はみずいろ」のポールモーリアが懐かし過ぎです。手品でお馴染み「オリーブの首飾り」や「エーゲ海の真珠」が頭で流れてしまいました。w2018/05/29

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