出版社内容情報
この子は/私の可愛い子で/父をいつでも誇つて/すこやかに育つことを念じてゐる
太宰治が代表作のひとつである『斜陽』の下敷きとした日記を書いた女性・太田静子とのあいだにもうけ、自身の筆名と本名(修治)から、一字をとって「治子」と自ら命名した娘。だが、生まれてわずか半年後に、太宰は入水自殺。一度も父親の顔を見ることがないまま育ち、、「斜陽の子」と呼ばれた著者は、年を重ねて、ようやく太宰を、そして母親との関係を見つめることができるようになった――。
母の日記や遺された太宰の手紙といった、著者にしか触れることのできない貴重な資料を本文中に織り込みながら、父親として、一人の男として、そして作家としての太宰と向き合い、感情に流されることなく、しかし愛情をもって自身のアイデンティティに迫る、渾身のノンフィクション。
内容説明
父・太宰治と、その出世作『斜陽』の下敷きとなった日記を綴った“愛人”の母・太田静子。時を経てやっと向かい合えるようになった二人の愛の真実と、尊敬できる作家として、人間としての太宰に、娘にしか触れられない貴重な資料をもとに迫るノンフィクション。
目次
下曽我
斜陽
めばえ
著者等紹介
太田治子[オオタハルコ]
1947年神奈川県生まれ。明治学院大学英文科卒。父は太宰治、母は『斜陽』のモデルと言われた太田静子。86年『心映えの記』で坪田譲治文学賞受賞、直木賞候補となる。小説、ノンフィクション、エッセイなど多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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