内容説明
京都で紛れ込んだ正式なお茶会。そこには、当然のように作法をこなす小学生の男の子がいた。一方、自分の手には、ティッシュまみれになったお茶菓子が…。このままじゃいけない。一念発起して茶道の門を叩いた著者が、素人ゆえの無邪気さで描く、茶道ほのぼのエッセイ。
目次
第1章 茶の湯はこわくない!?(お茶は気取ったおばさまたちのものか?;たかがお辞儀、されど… ほか)
第2章 ひよっこ茶人、茶会へまいる。(お茶会というもの;初めてのお茶会 ほか)
第3章 ひよっこ茶人、ちょっと開眼。(利休の茶の湯、理系な茶の湯。;男の茶の湯 ほか)
第4章 ML茶の湯ワンダーランド(男の着物教室;お菓子の世界は甘くない。 ほか)
外伝 ひよっこ茶人のお茶会十番勝負(1K茶会―異空間創造;追い出し茶会―道具はなくても ほか)
付録 ひよっこの茶道流派調査
著者等紹介
松村栄子[マツムラエイコ]
1961年静岡県生まれ。筑波大学第二学群比較文化学類卒。1990年に『僕はかぐや姫』で海燕新人文学賞受賞。92年『至高聖所』で芥川賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あつひめ
55
雨にもまけず粗茶一服を読んで松村さんの作品をもっと読んでみたかったということでこのエッセイにたどり着きました。私の近くにもお茶を生業にしている人が居るけれど、お茶に対して無知な私は茶人の心と脳みその中をこの1冊を通して初めて覗いた気がする。知人との接し方も変わりそう。茶道の中には人生や歴史が詰まっている。その一つ一つを後世に口述で伝えるような茶道。やってみたい気もするけど、こうして遠巻きにしてみていたい気もする。それは茶道の渦の中に飛び込むと素敵なことを体験できる反面、重たいものも背負いそうだし・・・。2012/10/17
おれんじぺこ♪(16年生)
13
遊馬の本(粗茶一服シリーズ)を2冊読んでからこれを読むと、あのモデルはこの方じゃないのかな?とか思えさらに面白く感じるエッセーではないかと思います。実は結婚前、私お茶、お花は習ったけれど、「習った」とはいえないレベルであると強く感じました(笑) 2012/11/06
ローリー
11
私も結婚するまではお稽古に通っており、いずれ再開したいと望んでいる茶道。そこに素人だった著者がハマっていくのを描いたエッセイです。著者には『雨にも負けず粗茶一服』などの茶道の家元跡継ぎを描いた小説もあり、楽しんできただけに興味津々で、入門したばかりの頃の数々の失敗を思い出して赤面しながら読みました。お茶を嗜む男性に関する考察がなかなかです。ただ男であると言うだけで、ほとんど素人でも正客にされてしまう恐怖!散々味わいました(笑)。出来ればまた味わいたいものです。久々にお稽古時代を思い出して楽しかったです。2011/08/19
ふくみみ
8
文庫で再読。少し削って茶の湯のわかりやすい説明が大量に追加されてます。単行本で読んでいても新鮮でお得感がありました。ウェブベースでないMLって独特の空気感、距離感があったように思います。今は情報が溢れている分、交流する思い切りはつきづらいかも?単行本でも思ったけど理系が茶の湯に深く興味を持つ気持ち、わかります。端正な美や陰陽などの神秘性が数学の法則に裏打ちされていて、理系のロマンを掻き立てるのではないかと。巻末の流派一覧も他流派が見てみたくなる説明で、流派を越えたMLの繋がりの面白さを感じさせます。2011/08/22
雪の行者山@加療リハビリ中
7
茶道習ってみたいかも・・・できれば黒楽茶碗か赤志野の茶碗がいいです。それにしても、理解の深さが違うのかなぁ。場や道具に頭を下げるのって当たり前すぎてそれに抵抗を感じたり、実感できにくい人のことが想像できない。それにしてもMLの人々、癖や個性がありすぎ。「粗茶一服シリーズ」の変人たちより変人が多いじゃないですか。2016/05/29
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