内容説明
財政難の極北市民病院で孤軍奮闘する非常勤外科医・今中。妊産婦死亡を医療ミスとする女性ジャーナリストが動き出すなか、極北市長が倒れ、病院は閉鎖の危機に瀕し―。はたして今中は極北市民病院を救えるのか?崩壊した地域医療に未来はあるのか。
著者等紹介
海堂尊[カイドウタケル]
1961年千葉県生まれ。医師、作家。千葉大学医学部卒、同大学院医学系研究科博士課程修了。2005年、第4回「このミステリーがすごい!」大賞受賞、06年『チーム・バチスタの栄光』でデビュー。08年、『死因不明社会』で第3回科学技術ジャーナリスト賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
える’S本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hiro
152
桜宮サーガの読む順番は難しい。「ジーン・ワルツ」を読んだ後では、三枝医師がどのようになるかわかっていたので、面白みは半減した。また実際読み進むと日本の産科医療が今後どのようになっていくのかと暗い気持ちになっていまう。三枝先生はもちろん無罪になるのでしょうが、医師として復帰後に日本の産科医療を明るくするような活躍をする三枝先生の続編を期待する。でも、本当の医療現場もこんなにいい加減なところがあるのだろうか。現役の医師が書くのだから本当だろうと思うが。2011/03/30
とら
139
崩壊の物語だったなあと。「チーム・バチスタの栄光」の元のタイトルが『チーム・バチスタの崩壊』だったのを思い出した。この作品は、その極北市版と言ったところか。でもこれまた共通してるのが、復興の兆しが見える点である。最後に世良先生登場、そして諦めない今中先生!何というか、確実に続編がありきの作品だ(笑)だって最後の章のサブタイトル”救世主”だし!これから始まる物語の、大きな序章。散々悪く言われていた極北市民病院だったけれど、世良先生が最後にぶっ放してくれて、何だかすっきりした。代弁してくれた。続編にも期待。2013/02/11
gonta19
133
2011/3/4 ジュンク堂住吉シーア店にて購入。 2020/2/9〜2/10 地方の病院で実際に起こりそうな事象に、海堂さんの医療行政に対する反感が反映された、これぞ海堂作品、という内容。速水さんがちょこっと登場。続編が楽しみである。2020/02/10
まゆちん
125
「イノセントゲリラ」を読んでいたので三枝医師の逮捕は解っていたけれど。。。市が、市民病院が破綻に向かっていく様を読み進めるにつけ胸が苦しくなるような話だった。上役も職員も市民も自分のことしか考えてない自業自得な結果だけれど、外から来た人間にまんまと利用されて崩壊してしまったようなイメージ。今中先生の決断が最後の望みか。最後に世良先生が登場したし、速水先生も新天地の北で活躍している頃なので、次は「ラプソディ」に飛びます!2014/05/06
財布にジャック
113
あれ?なんかスッキリしない展開と終わり方に、ひとり取り残されてしまったような寂しさが…。でも途中は夢中で読んでいたので、文句は言いにくいです。海堂ファンならニンマリしてしまうあの人もこの人も登場している上に、現在の社会問題に真剣に取り組んでいるので、良しとしなくてはなんでしょう。しかし、下巻は上巻の姫宮の活躍の後だけに、なんだか暗いのが気になります。次回はスキッとするような明るいお話が読みたいです。2011/11/19