内容説明
人間国宝・桂米朝が「口の向くまま気の向くまま」に語った芸談集。師匠・四代目桂米團治、桂南天、橘ノ圓都、古今亭志ん生ほか、噺家、浪曲師、漫才師、寄席囃子の名手、講釈場の思い出や、枝雀、ざこばら弟子たちとのエピソード、俳句の魅力を語った味わい深い一冊。
目次
芸談聴かせるのも稽古のうち
戦中、噺聴き、欲しかった甘いもん
小学校から俳句、ませてたんかな
落語の録音、最初はイヤでねぇ
芸歴六十年、言われてびっくりした
名前が復活するんはええことや
著者等紹介
桂米朝[カツラベイチョウ]
1925年旧満州大連市生まれ。兵庫県姫路市出身。43年、作家で寄席文化研究家の正岡容に師事。47年、四代目桂米團治に入門。三代目桂米朝を名乗る。66年、京都・東山安井金比羅会館にて桂米朝落語研究会を始める。忘れられた噺を文献から発掘するなど上方落語の復興に尽力した。87年、紫綬褒章受章。96年、重要無形文化財保持者(人間国宝)認定。2002年、文化功労者顕彰。09年、噺家として初の文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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へくとぱすかる
46
読み終わって初めて、300ページ近い本だったことに気がついて、読み終わるのが惜しくなる。あのなつかしい桂米朝の語り口調が、脳内によみがえってくる思いでした。それにしても思い出に登場する、知らない芸人さんのいかに多いことか。米朝師匠が語り残してくれたおかげで名前を知った人が大多数。音声も映像も残っていない人も多いのでしょう。貴重な歴史的証言です。2018/04/28
おじいやん featuring おじいちゃん( ̄+ー ̄)
34
談志は本でもいいと思う。けど米朝は是非とも音源なり映像なりで触れていただきたい。是非とも是非とも。なんでだろうね?周りの雰囲気や空気に合わせて喋るからかな?文章の技量云々かんぬん以前に私が本との関係性を持てないいわゆる疎外感を感ずるんですよ米朝の文章は何故か。何故なのか?関西に行った事無いからかな?わからね〜や。席は好きですよ言わずもがな。englishman in NY.2017/02/04
takao
4
ふむ2023/12/28
nstnykk9814
1
休日の再読。4年ぶりかな。米朝師匠の芸談をそばで聞かせてもらえた気がした。ラジオの語り口が活字でも生かされていると思う。2014/10/04
fandora
1
上品な関西弁を話される方。個人的にはそんな印象のある方なのですが、読みながら、その声のトーン、語り口調が聞こえてくるような気がします。お師匠さんの話からお弟子さんの話、落語を取り巻く世界のお話が中心で、家族に関しては「家族旅行には一度だけ行ったことがある」というアッサリとした内容。本当に、どっぷりと落語の一筋の世界に生きて来られた方なのでしょう。これも、一つの男の生き方というものなのかもしれません。お弟子さん達に対する愛情も淡々とした語り口調の中から、充分に感じることが出来る、お勧めの一冊です。2011/12/04