内容説明
消しゴム版画家・コラムニストという独自のジャンルを切り開き、39歳で夭逝した鬼才・ナンシー関。本書はその才能を世に知らしめた週刊朝日の伝説的連載「小耳にはさもう」のうち、生前どの単行本にも収めなかった65本を収録。
目次
1の章(三宅久之「もう少し申し訳ないって顔をしてもらいたいね」;松岡修造「相手がカズシゲさんじゃなかったらやめてる。悔しいよね」;鈴木宗男「鈴木のスの字も宗男という字もないですよ」;三田佳子「祐也は胸も触ってないしキスもしていない(と言っていた)」
石田純一「(ワールドカップには)行きまくりますね。もうほとんど休みにしてくださいって言ってある」 ほか)
2の章(大橋巨泉「オレの知らない話すんな!」;ヒロミ「(山田雅人に向かって)やっぱりヒデの友達だー」
麻原彰晃「わたしはー、やってないー、けっぱくだー」
市原悦子「あんまり私生活はつまんないんです、私」
竹中直人「豊臣くんです」 ほか)
著者等紹介
ナンシー関[ナンシーセキ]
1962年青森県生まれ。消しゴム版画家、コラムニスト。著書多数。2002年6月、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫丸
12
耳シリーズ未収録お蔵出しコラム。1993〜2002年週刊朝日連載分。和泉節子(元彌の母)が3回も登場するのは何らかの圧力で書籍化差し止めされたのか。単に旬が短かかったせいか。長嶋一茂も複数回取り上げられている。「一茂はバカをリアクションで見せるが、修造はそのバカをファーストアクションから繰り出す」p.17。凄いことを平気で言うなあ。山田邦子に好感度ベスト12女性タレントは誰か?クイズが出題された事件。しかも邦ちゃんは入っていない2001年の悲劇p.38。テレビの残酷さを表出するひとコマ。2020/09/02
3939タスタク
12
ビートたけしを敬愛していた彼女が、バイク事故後の復帰会見を見て『コメディアン・ビートたけしは死んだ』と、バッサリ切り捨てている。人々を笑わせるお笑い芸人が、人々から同情される状況を自ら作ってしまった場合、コメディアンとしては致命的な痛手である。その後ビートたけしは、文化人・北野武へとシフトチェンジしていくのだが、彼女のコラムニストとしての眼は確かだったと思う。2012/06/24
Keystone
5
面白かった~。こんなことあったなあ、こんな人いたなあの連続でした。一番笑ったのがヒロミが面白くないことばっかり言う山田雅人に向かって「やっぱりヒデ(中山秀征)の友達だ!」と言っていた話。「面白くないタレント」として、田中義剛を含めると、田中中山山田と無限しりとりになる、というのも笑えました。最近のテレビタレントについても彫って欲しかったなあ。2012/10/23
ドミンゴ
3
なんか以前に読んだかな?いややっぱり読んでないかな?なんて思いながら読んでしまった。惜しむらくはすでに故人だということ。それだけでああだこうだとイジリ倒すその鮮やかな作風も勝手にしんみり感を覚えてしまうのは私だけか。文章の区切りかたが好きで、自分としてはテンポを感じて読みやすいんだけどね。2014/10/21
marua
3
再読。20年近く前になってしまったTVコラムだけど、このまま埋もれて忘れられてしまうにはあまりに惜しい。タレントや番組が発する奥歯にものがはさまったようなもやもやを「腑に落ちる」表現で喝破できるひとだった。ということを、読み返して改めて思ったし、これが受け入れられていた世の中はまだメディアに良識とか慎みがあってしかるべきだろうと考えてた人も多かったってことなのかも。そういう人がいないとは思わないけど、あまりにひどい番組が加速度的に増えたのも確か。2014/08/15