出版社内容情報
大正・昭和と多くの読者を獲得しながら、時代と社会的偏見にさらされ続けた吉屋信子の初の本格的評伝。巧みなエピソードと引用で、彼女のもとに集う女性作家たちの人生を鮮やかに描く。近代女流文学史としても読み応え十分の長編小説。
内容説明
文壇ペン部隊で見た戦争の実態、宇野千代、林芙美子ら女流作家との交流、そして別れ。半世紀をこえる長い文学経歴を経て到達した小説世界には、明るい無常感が吹き渡る。小説の神様に愛された作家、吉屋信子の生涯とそこに集う女性作家たちの軌跡を描く、近代女流文学史。
目次
嵐の薔薇
戦塵
冬木立
春昼
面影つかのま
年の湯の湯気に消えゆく月日かな
著者等紹介
田辺聖子[タナベセイコ]
1928年、大阪生まれ。樟蔭女専国文科卒。63年、『感傷旅行(センチメンタル・ジャーニィ)』で第五十回芥川賞を受賞、88年、『花衣ぬぐやまつわる…わが愛の杉田久女』で女流文学賞を、93年、『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞を受賞。94年、菊池寛賞を、95年、紫綬褒章を受ける。98年、『道頓堀の雨に別れて以来なり』で泉鏡花文学賞と読売文学賞を受賞。2000年、文化功労者に顕彰される
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Gen Kato
2
再読。よき評伝にして、贅沢な作品ガイド。田辺聖子先生の人間洞察は甘くないのにあたたかい。2013/10/30
timeturner
1
実に読み応えがあった!2011/08/30
きょうたん
0
長かったけど、吉屋信子のことでここまで書ける田辺聖子がすごい。2017/01/17
cottontail
0
「少女小説家」ではなく、「作家」吉屋信子への敬愛溢れる評伝。本作を読むにつれ、田辺聖子は吉屋信子の正当な後継者であるよなあ、と感じる。同じ作者の「欲しがりません勝つまでは」も是非読んでいただきたい。斎藤美奈子の解説も秀逸だった。2012/03/27
てふてふこ
0
女二人、楽しく暮らしていたのでしょうね。何だか羨ましいです。