内容説明
雑草たちは夢みている。町の一部のコンクリートが剥がされて、自由に茂れる大地が与えられることを。そこでヒトの子とほかの生き物の交流が復活することを…。人間も「地上に住む無数の生命の一員」であると語る著者が、なにげない日常に見つけた豊饒な自然を描くエッセイ集。
目次
庭の花
山と私
北国初夏花暦
街角の春
女性と自然保護
莓畑の風景
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔亀
46
芥川賞受賞の前後に発表された短いエッセイ58編。文学に関わるものはなく、すべて鳥、花木、昆虫など自然の様子を描写するもの。純正のナチュラリストとりわけバードウォッチャーとしての文章という感じだ。しかし、注目すべきなのは、生まれ故郷の北海道や信濃の借家(別荘のイメージと何と違うことか)の自然なども出てくるが、東京のどこにでもあるような自然を日常として語っているところであろう。珍鳥ではなく雀やカラスやヒヨドリの様な身近な鳥、空き地の雑草や虫に注目する。特別なものでないありのままの身近な自然を再発見できる。2015/03/06
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