感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
loanmeadime
16
青空文庫「予言」のレビューで以前、日本幻想文学集成で久生十蘭の「海難記」他を読んだのを思い出して、青空文庫に当って本作があるのを知り、一話ずつ読みました。2回テレビドラマ化されていて、2度目のものを50年前に見ていました。顎十郎の従妹、花世役の大原麗子さんがそりゃあもう可愛くて中学生の私は痺れっぱなしでした。雑誌の連載だったそうで、二十四話すべて25ページ前後で一話完結です。とりもの図鑑といった趣で面白かったです。お気に入りは「都鳥」あたりかな。2020/12/15
藤月はな(灯れ松明の火)
10
パッと見は冴えないけれどもひらめきはピカイチの顎十郎の捕物譚。久生十蘭氏のユーモラスな登場人物たちと妖しい事件の描写が秀逸です。やたら、意地を張り、いちゃもんをつける藤波をのらくりと躱す姿が何とも小気味がいいです。最も顎十郎によって自分の無能ぶりを思い知らされている藤波は散々でしょうが(笑)顎十郎のイメージがアニメ「四畳半神話体系」の樋口先生に被ってしまいます(笑)2011/10/28
azuno
3
怪作である。久生十蘭の他の作品を読んだ事はないが、数年前にNHKラジオの朗読で「金狼」をやっていて、読み手の俳優さんも素晴らしかったのだがとにかく魅了されたのを覚えている。本作もまずその語り口。また江戸の風物。(賜氷の節なんて初めて知った。)かと思うとどういうわけか「ミニュート」(minuteの事らしい)などという言葉が使われるその異世界観。主人公も奉行所勤めからあっさり駕籠かきになってしまい話の流れ方もどんどん変わる。おもしろかったので他の作品にもあたってみたい。2019/04/23
本おや店主
3
短編なのに上手い具合にどれも伏線がキレイに収まってて面白かったし読み応えがあった。 岡本綺堂にちょっと似た感じかも。 久生十蘭さんって、もっとおどろおどろしい感じかと思いきや、そうでもなかった。むしろ、愛嬌のある感じ。 キャラコさんとか読んでみたくなった。2011/02/14
辺野錠
2
様々な事件の謎に立ち向かう顎十郎の活躍が痛快だった。顎がデカすぎるというそのビジュアルも強烈。途中で同心を辞めて駕籠かきに転職するのは事情のあるテコ入れだったのかは気になる。2020/03/18
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