出版社内容情報
日常のさりげない腰痛、風邪、些細な人間関係のトラブルをきっかけに妄想、不安障害、うつ病として表れる老年期の心理的な特異性とは? 背後にある老いとは? 多彩な精神症状を診てきた、老年精神医学の第一人者による、豊富な臨床を踏まえた処方箋。
内容説明
老いゆく心をわかっている?精神科医として大学病院や精神科病院で高齢者を診てきた著者は、1979年に認知症をより知りたく老人医療・福祉の現場に入った。高齢者はそれまでは自らの精神的危機を超えてきたのに、加齢とともに伴侶や友人を喪失、独居や同居、身体的機能の低下、孤独、社会とのつながりの変化から、不安、葛藤、怒りに苛まれる。腰痛や風邪、人間関係の小さなトラブルをきっかけに、妄想や不安障害、うつ病を患っていく。豊富な臨床例、多田富雄、木村敏、神谷美恵子、ボーヴォワール、映画『八月の鯨』、ジャンケレヴィッチ、ボウルビィ等をもとに、老年期の特性を捉える。病の症状の底流にある「老いを生きること」の実相とは?大上段の構えではない、老いの自然な姿、成熟とは?老年精神医学の第一人者による実践的に役立つ生活の視点からみた臨床の覚書。
目次
第1章 老年精神科事始め
第2章 老年期心性の特異性と不安・抑うつ
第3章 抑うつの精神医学
第4章 老年期の妄想
第5章 隠喩としての「認知症」
第6章 脳症状の臨床からみる1 せん妄
第7章 脳症状の臨床からみる2 生活を通して認知症を考える
第8章 老いをいかに生きるか―ある100歳老人から
著者等紹介
竹中星郎[タケナカホシロウ]
1941年東京都生まれ。精神科医。1966年千葉大学医学部卒。東京都立松沢病院、信州大学医学部、社会福祉法人浴風会病院に勤務。52歳で医療・福祉の第一線から身を退く。その後は浜田クリニックでは東京下町の精神医療にたずさわり、社会福祉法人かがやき会の嘱託医として精神障碍者の生活支援にかかわる。長野県富士見高原病院では非常勤医として農村の精神科医療にたずさわってきた。公職としては、大正大学人間学部臨床心理学科長、放送大学客員教授、杉並区さんあい公社嘱託医、社会福祉法人かがやき会理事、医療法人社団道草会浜田クリニック理事などもつとめた。2019年9月8日食道がんで逝去。享年77(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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