朝日選書<br> 失われた近代を求めて〈下〉

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朝日選書
失われた近代を求めて〈下〉

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  • サイズ B6判/ページ数 332p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022630865
  • NDC分類 910.26
  • Cコード C0395

出版社内容情報

島崎藤村と国木田独歩を中心に、「自然主義」との関わりから日本近代文学の核心を衝く。そして、明治維新の前年に生まれた夏目漱石、尾崎紅葉、幸田露伴、正岡子規、一つ年下の北村透谷──明治生まれの第一世代の群像から、近代文学の成り立ちに迫る。

内容説明

「自然主義」と呼ばれた作品群は、「言えない」を主題とする小説として生まれ、いつしか赤裸々な「自分のこと」を告白する私小説へと変貌する。いま最も読まれなくなった文豪の代表作―島崎藤村『破戒』が達成したものと、国木田独歩『武蔵野』によって開かれた地平とは何か?「自然主義」との関わりから近代文学の核心に迫る第二部「「自然主義」と呼ばれたもの達」。そして、明治の始まる前年に生まれた夏目漱石、尾崎紅葉、幸田露伴、正岡子規、一つ年下の北村透谷らの作品を読み解く第三部では、明治を生きた第一世代の群像を「近代」と「前近代」の相克として活写する。西洋由来の「近代」を受け入れた日本人が何を求めたのか、その一方で「近代」によって失われたものとは何か、その謎と実相に迫る「明治二十年代の作家達」。橋本治による「近代」「文学」論の完結編。

目次

第2部 「自然主義」と呼ばれたもの達(承前)(「秘密」を抱える男達;国木田独歩と「自然主義」;とめどなく「我が身」を語る島崎藤村)
第3部 明治二十年代の作家達(青年と少年の断絶;北村透谷と浪漫主義;北村透谷のジレンマ;紅露時代)
近代が来てどんないいことがあると思っていたのだろうか?

著者等紹介

橋本治[ハシモトオサム]
1948年東京都生まれ。東京大学文学部国文科卒業後、1977年『桃尻娘』で小説現代新人賞佳作を受賞しデビュー。1996年『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、2005年『蝶のゆくえ』で柴田錬三郎賞、2008年『双調平家物語』で毎日出版文化賞、2018年『草薙の剣』で野間文芸賞を受賞。2019年1月に逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

185
上下巻、690頁弱完読しました。橋本 治らしさやユーモアもあり読み易いですが、近代文学史の教科書のような感じでした。タイトルは、マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』に因んでいるのでしょうか?中央線内での布団衝突の影響で埼京線が遅延している最中、電車の中で田山花袋の『布団』に関する記述がある本書を読み終わり、笑いました。 布団が吹っ飛んだ(冷笑) https://qiita.com/fujit33/items/dbfbd7a2aa3858067b6c2019/10/09

かふ

17
上巻は面白く読み進めていけたのだが、北村透谷で躓いた。それまで北村透谷の文学を正面から論じる本を読んだのは初めてかもしれない。北村透谷の純粋性をヤンキーの、たとえば一歩間違うと長渕剛みたいになりそうだと言うが、北村透谷の純粋さはアニメオタクのような純粋さだろうと思うのだ。それが浪漫主義に通じる。女性の方は「やわ肌の」与謝野晶子なのである。そこに純粋性(処女性)を求めるから苦悩するしかなかった。そして、漱石の三四郎からの苦悩する青年像がそこにある。しかし、尾崎紅葉、幸田露伴の前近代性の文学は江戸の戯作文学を2023/02/06

みのくま

8
上下巻とも「失われた近代」について明示的な言及はない。だが、文学者達の肖像を、著者の軽妙な筆致で浮かび上がらせる事で、ぼく達が何を失なっていたかが分かる。島崎藤村と国木田独歩の自然主義文学ではない読解、北村透谷の政治性と夢想的な恋愛観で練り上げられた浪漫主義、言文一致以前の近代小説を書いた尾崎紅葉と幸田露伴、徹底して他人を描く事で自らの生き方を模索した夏目漱石。明治は前近代と近代が混濁していた時代であり、文士達は理想を抱き、そして挫折していく。現代に膨大に遺されたテクスト群は、その挑戦の軌跡に他ならない。2019/10/02

amanon

4
文学史の教科書からかなり逸脱した内容だけれど、でも恐らくかなり真っ当。常識と思っていたことが、かなり実情からズレているということに、目から鱗状態になることしきり。個人的にとりわけ印象的だったのが、藤村のクズっぷり。これは現在では、読まれななくなった文豪扱いされても仕方ないよな…と。また、正岡子規の知られざる一面も面白かった。そして何より共感を覚えたのが、爽やかな青春小説と言われがちな『坊ちゃん』のダークな面を捉えた記述。その辺りに光が当てられることが意外に少ない。後、露伴を読んでみたくなったのが収穫か。2021/06/16

きじねこ

4
面白かった。上巻は読み終えるのにとても時間がかかったが、これはほぼ一晩で読んでしまった。『ページを捲る手が止まらない』ってこれやな!と夜中テンションで思いました。 北村透谷の面倒臭さがすごい。聡明な方だったらしい奥さま、大変だったろうな。我々が失くしたのは「人の期待」で、それならやり直すことが可能、と考える橋本治の最後の言葉が良かった。 欲する権利には、義務が必ず背後にあること。それを引き受ける覚悟を持って、期待し続けたい。2020/10/25

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