出版社内容情報
【歴史地理/外国歴史】コロンブスが持ち帰ったタバコ、オスマントルコとの和平交渉で得たライラック、南国への憧れの象徴オレンジ……植物は食料、香水、薬、ステータスシンボルでもあった。さまざまな植物の伝来背景・逸話に触れながら、一族の栄華と衰亡の歴史をひもとく。
関田淳子[セキタジュンコ]
著・文・その他
内容説明
癒やし、食料、薬、コスメ、ステータスシンボル…数多くの植物が激動のヨーロッパ史上で重要な役割を担った。植物を通して見る名門王家の歴史絵巻!
目次
第1章 植物はどのように西欧に定着したか
第2章 ハプスブルク王朝の誕生
第3章 富と和平を運んだ植物
第4章 チューリップがたどった運命
第5章 戦火にさらされたシェーンブルン庭園
第6章 庭園を輝かせた女帝マリア・テレジア
第7章 「花の皇帝」とその家族
第8章 落日の帝国と皇帝たち
第9章 皇妃エリザベートと花たちの出会い
第10章 日本とハプスブルク家
第11章 オレンジの温室「オランジェリー」
著者等紹介
関田淳子[セキタアツコ]
ハプスブルク家研究家。日本オーストリア食文化協会顧問。民間企業研究所勤務後、ミュンヘンに在住。帰国後、ハプスブルク家の歴史および宮廷文化について文筆活動を開始する。執筆のかたわら、講演活動、NHKや民放などのハプスブルク家に関する番組に関わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さつき
82
ハプスブルク家の人々がどんな植物を好み、広大な庭園やオランジェリーを整備してきたかがヨーロッパ史の流れの中で描かれています。植物をキーワードに歴史を読むのは、なかなか面白く意外性がありました。それにしてもヨーロッパの君主達は暖地の産物が欲しくて仕方なかったのですね。南国の植物を集めたオランジェリーが権力の象徴となっていたことに改めて気付かされました。マリア・テレジアが愛したからか現在のシェーンブルン宮殿の調度品もパイナップル模様が多いとはびっくり!見てみたいなぁ。2020/11/03
Nat
27
図書館本。ハプスブルク家と植物との関わりと共にハプスブルク家の歴史が語られている。ハプスブルク家の歴史の本を読んでいると、ルドルフ一世のあとの100年くらいは割と省略されてしまうことが多いが、この本ではその間のこともわかりやすく書かれていたので良かった。ハプスブルク家と様々な植物との関わりも面白かった。2020/11/08
rosetta
14
歴代のハプスブルク家には芸術を愛し学問に親しんだ人が多かった。この本はそんな中で特に植物、造園に興味を持った人たちを取り上げる。主な舞台はシェーンブルン宮殿の庭園。世界中にプラントハンターを送り出し珍奇な新種を集めたり、ヨーロッパ外の国から送られたり。特に意外な事はなかった。むしろハプスブルク家は婚姻政策で勢力を伸ばしたけど軍事的にはからきしな家系だった印象が強く残った。だからヨーロッパでは大きな地位を占めながら大航海時代に植民地をろくに持てなかったんだな。ま、海を持たない山国ってのもあったんだろうけど。2019/04/16
Book Lover Mr.Garakuta
10
ヨーロッパに君臨した。植物いじりが大好きな王族の話2019/04/06
m
5
これは良書。タイトルの通り植物からハプスブルク家の歴史を紐解く。意外にも歴代の皇帝や皇后が花と緑にまつわるエピソードをそれぞれ持っていて興味深い。ガーデニングが癒しになるくらい精神的に追い込まれていたのだと思うと切ないが、一族自慢の庭園をいつか見てみたいなぁ。2019/12/16