出版社内容情報
第2次大戦時の強制収容所から生還した著者が、その体験を人間の極限状態として克明に、静かに描き出す。35言語に翻訳され、世界中で読み継がれてきた古典的名著『アウシュヴィッツは終わらない』を原題とし、増補、完全版としておくる。
内容説明
レーヴィがナチスのユダヤ人強制収容所から救出されたのは1945年1月27日。自宅に帰り着くとすぐに、彼は記憶を頼りに、本書の執筆にとりかかった。飢えと寒さ、不潔な寝床、病い、そして死にゆく人々…。過酷な強制収容所での生活が非常に緻密に、きめ細かく記されている。ものを考えることが死につながるほどの極限状態にあって、人間の魂がいかに破壊されていくのか。体験を書くという行為は、アウシュヴィッツで全面的に否定された自己の人間性を回復する作業でもあったのかもしれない。生還以来、その体験を証言してきたレーヴィの集大成的ともいえる古典的名著『アウシュヴィッツは終わらない』の改訂完全版。
目次
旅
地獄の底で
通過儀礼
カー・ベー
私たちの夜
労働
良い一日
善悪の此岸
溺れるものと救われるもの
化学の試験〔ほか〕
著者等紹介
レーヴィ,プリーモ[レーヴィ,プリーモ] [Levi,Primo]
1919年トリーノに生まれる。44年2月アウシュヴィッツ強制収容所に抑留。45年1月ソ連軍に解放され、同年10月イタリア帰還。戦後は化学者として働きつつ自らの体験をまとめ、イタリア現代文学を代表する作家の一人となる。87年自死
竹山博英[タケヤマヒロヒデ]
1948年東京に生まれる。東京外国語大学大学院ロマンス系言語専攻科修了。現在立命館大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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