出版社内容情報
【社会科学/政治】歴史学の泰斗が、現代中東の地殻変動に迫る。IS(イスラム国)、宗派対立、難民、ロシア、中国そしてトランプ大統領など、日に日に危機が高まる中東・中央アジアの嵌合を解き明かす。「山内昌之氏×宮家邦彦氏×中川恵氏」による鼎談「中東混迷を読み解く」も収録。
山内昌之[ヤマウチマサユキ]
内容説明
混乱を極める中東はどこへ向かうのか。IS(イスラーム国)のテロはいつ終わるのか―。内戦あるいは戦争が続くシリア、イラク、リビア、イエメン。テロの脅威に晒されるトルコ。岐路に立つ欧州。トランプ大統領誕生後、先行きの見えぬアメリカ。プーチンとロシアのしたたかな思惑。イラン、イスラエル、サウディアラビアの不穏な関係。グローバルに拡大する難民etc.。中東発の世界危機は深刻化し、がんじがらめの嵌合状態になっている。本書は「明治大学国際総合研究所」の研究を貴重な資料写真を交えて書籍化。多士済々の著者が、地政学の視点から、複雑に変容する国際情勢をあざやかに解き明かす。
目次
第1部 ISをめぐる地政学(ISの地政学的意味;ISのイデオロギー;米国:オバマ政権の「対テロ戦争」と「IS」;シリア―紛争とイスラーム過激派の台頭)
第2部 拡散するISの脅威(トルコにおける「IS」の活動;リビアの地政学リスクとイスラーム過激派の動向―「非統治空間」への着目;エジプトにおける急進派の連携と分裂―「ISシナイ州」とアル・カーイダの競合関係の考察;対「イスラーム国」戦の陰で深まるイラクの政治危機)
第3部 中東・中央アジアの経済・ビジネス―日本企業はどう対応すべきか(中東の地政学リスクと国際エネルギー市場;サウディアラビアの石油依存脱却に向けた取り組み―油価下落の影響;紛争が常態化する中東での経済活動を考える;一総合商社の活動の歴史から見たイスラーム市場の魅力)
第4部 中東・中央アジアの歴史・宗教・社会(フランスのテロとイスラム過激派の実態;モロッコの過激派対策:長期的視点に立った宗教政策の試み;シリア難民女性による演劇:癒しの実験とジェンダー規範;GCC諸国の高等教育の状況;歴史のなかの中央アジア―ゼンギーアタからの眺望)
鼎談 「中東混迷」を読み解く―トランプ、プーチン、ISと世界変動の構図
著者等紹介
山内昌之[ヤマウチマサユキ]
1947年生まれ。東京大学学術博士。カイロ大学客員助教授、ハーバード大学客員研究員、東京大学教授・中東地域研究センター長を経て、東京大学名誉教授・明治大学特任教授。現在、天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議構成員、国家安全保障局顧問会議座長、教育再生実行会議委員、横綱審議委員なども務める。紫綬褒章、司馬遼太郎賞、吉野作造賞などを受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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