朝日選書<br> マラソンと日本人

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朝日選書
マラソンと日本人

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  • サイズ B6判/ページ数 313,/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022630230
  • NDC分類 782.3
  • Cコード C0375

内容説明

開国後の日本は外国人からさまざまなスポーツを学び、それらは全国津々浦々に普及した。なかでも「走る」ことで国際的舞台への参加・活躍を夢見た近代日本は、やがて世界に例のないかたちの「マラソン大国」となってゆく。参加者1万人超の規模のフルマラソン大会が毎週ある国は珍しい。マラソンをテレビ中継するのも、メディアの利権が絡むのも特異だ。日本初参加の五輪、ストックホルム大会で走った金栗四三、東京五輪の銅メダルののち自死した円谷幸吉、その後の瀬古利彦、中山竹通など、日本のマラソンを世界に導いたランナーたちは何を想って走ったのか。いま、日本のマラソンは低迷し、世界のトップ集団から置いていかれる一方で、国内では多くの市民ランナーたちが走っている。日本人にとってマラソンとは何か。近代マラソンの歩みを振り返り、我が国の国際性、スポーツ観の変遷をたどる。

目次

走り出した日本人
金栗四三―学生の大志と箱根駅伝
孫基禎―「内鮮一体」の表裏
“ボストンマラソン”と戦後復興
円谷幸吉と東京オリンピック
祭りのあとの空白―ポスト君原健二
瀬古利彦の栄光と挫折
中山竹通のたった独りの反乱
女子マラソンと夏のメダル
ケニア参入と日本の内向化
川内優輝―鈍足のエリートと“東京マラソン”

著者等紹介

武田薫[タケダカオル]
1950年宮城県生まれ。スポーツライター。東京外国語大学卒業後、報知新聞記者を経て85年からフリーに。マラソン、テニス、野球などを中心に取材(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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アキ

105
マラソンは孤独な競技である。日本では誰でも知っている42.195km・26マイル385ヤードは世界ではあまり知られていない。日本で最初のマラソンは1909(明治42)年で、1897年に始まったボストンマラソンの日本人の優勝者は2014年現在計8度にもなる。1960年代に世界で最も層が厚かった日本は、史上最強のランナー瀬古俊彦をピークに世界の潮流から取り残されてしまう。90年代以降に世界の都市でマラソン大会が普及し、その流れで2007年東京マラソンがスタートした。さて、3年ぶりのマラソン大会、不安だらけ。2022/08/24

takao

2
ふむ2022/07/11

おちあい@ami

1
名前だけ知っていた金栗四三、君原健二から、瀬古利彦、宗兄弟、中山竹通、川内優輝まで、日本のマラソンの歴史を俯瞰できる好著。新聞社主体によるレース開催、駅伝を偏重する実業団、日本陸連の内向性など複数の要因がからみあって、かつて世界で最もレベルの高かったボストンマラソンで3位まで独占した日本の男子マラソン界が、2002年以降、国内記録も更新できない低迷に陥っている現状が、初めて理解できた。野球やサッカーのように、若手の有望選手をケニヤかエチオピアに派遣しないと、未来はないのかもしれない。2015/01/17

kenitirokikuti

0
マラソン(と駅伝)は日本で高人気を誇る。ボストンマラソンは1987年スタートと最古であるものの、世界の潮流としては、マラソンはスポーツとして高い評価はなかった。ロードレースであり、フィールド競技ではなかったため。以上は前書きの内容2016/03/27

ぱるむ

0
日本のマラソンの歴史を知ることが出来ます。箱根駅伝の成り立ちの話は、まさにへー、そうなんやーとびっくりしました。過去歴代のマラソンランナーを振り返り分析。その当時の社会状況なども知ることができ、なかなか面白かったです。私自身、子供の頃見た中山竹通さんの会見等の真意をこの本で初めて知り、理解できました。余談ですが、去る2日前、紀州口熊野で中山さんにハーフで抜かれました。この本を経て、次は、瀬古さんと中山さんの過去の本を読みたいと思います。宗兄弟の本は既読。これも面白かったです。2015/02/03

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